現在の栽培状況について・・6月

5月16日定植のDブロック
5月16日定植のDブロック

現在の栽培状況です

例年に比べてどうか?

このブログを読んでくださってる人なら知っていると思いますけど、

3年目から6年目まで、うちの場合、定植後の動きはあまり正常ではありませんでした


花芽で定植すれば、1段目の落花、着果しても肥大停止する玉

着果定植しても肥大停止、または2段目の落花など

そんな事が2本に1本起きる始末・・・

それに、1段目が遅れて、2段目と大きさが並んでしまうなど


最近は、2本に1本が、3本に1本、4本に1本

今年は、多くて5本に1本、少なくて10本に1本に収まっています

つまり、年々良くなっています


それでも、まだ散見されるのは、やはり、冬の間も屋根ポリ張りっぱなし

土、からから・・で、残存肥料が多いせいかもしれませんけど

とにかく、異常花は減っています・・


原因は堆肥なのか?残存肥料なのか? それともホルモン剤なのか?

まあ経過から推察するに、残存3割、堆肥の残影響7割くらいでしょうかね

ホルモン剤の影響は、僕は、感じられませんけどね・・・・


現在、5段開花、状況は普通ですね
現在、5段開花、状況は普通ですね

初期の生育は強めに持って行きます

なので、1段花、2段花が小玉なのは、致し方無い事

それでも、5段開花の頃には、着果負担から、1段、2段も

伸びてきます


摘果も、1段で、5個以下が基本なので、玉数も多く、当然玉伸びも遅いです


昨年の状況から、これはこれで問題無く、出荷できると思います


4段、5段、カリも良く効いて、額枯れも、葉先枯れも少ないです
4段、5段、カリも良く効いて、額枯れも、葉先枯れも少ないです

一番の懸念は、5個着果の状態で、3段以降に、額枯れ、花落ちが多発する事です

なので、今年はその対策を重点に栽培しました

現在の所、2段目に落花が多いのですけど、


それでも、3段~5段に、額枯れ、花落ちは例年より減りました

それにカリも良く効いています、4段、5段でも花房の軸が太く長くなっています


1段目、小さめ、2段と玉の大きさが、並ぶ樹が、相変わらず、少々
1段目、小さめ、2段と玉の大きさが、並ぶ樹が、相変わらず、少々

花数は、3花~7花とばらつきますけどね・・・・

2段目3段目に定植後の何らかの、堆肥か残存肥料の

影響かショックの落花が散見されますが

4段、5段の落花、額枯れは、例年よりはるかに少ないです


5月21日頃定植のCブロック、4段開花~5段開花
5月21日頃定植のCブロック、4段開花~5段開花

基本的に6段くらいまでの葉先枯れは、ほとんど出ませんね


葉先枯れも、ほとんど見られない
葉先枯れも、ほとんど見られない

葉もぶくぶくと大きい物は、3段当たりに見られますけど

比較的、尖って締まっています

葉に艶もあり、緑も明るい緑です


4段、5段目・・額枯れは、ごくまれに散見される 平均、1段目は小さく、2段目に落花が散見される
4段、5段目・・額枯れは、ごくまれに散見される 平均、1段目は小さく、2段目に落花が散見される

就農初期は、カリが不足しますけど、さすがに現在は

カリは土壌に過剰気味です・・

就農初期は何やってもよく吸いますけど、9年目の場合は

いかに土壌に溜まっている肥料を吸わせるか?

技術が転換します

ちょっと前は、堆肥から出るアンモニアの影響からか、アルカリが拮抗してカリが吸えなくて

4段当たりからカリ欠が出ていました・・もちろん、カルシウムも同じ拮抗作用が出ました


現在は堆肥の影響は少ないので、拮抗作用はあまり感じませんけど

それでも、昨年までは、心配で追肥のカリを増やしていましたけど、

今年は、カリの増加は一切していません、でも

カリ欠は出ないし、カリもカルシウムも良く効いています

もちろん、吸わせる技術を駆使していますよ


額枯れも少なく、カリも良く効いています
額枯れも少なく、カリも良く効いています

現在、5段開花の窒素投入量は

元肥でオール有機で4.8Kg

追肥で、10日あたり有機で1.5Kg、化学肥料で1,5Kg

合わせて約3Kgですけど、そんなに強樹勢にはなっていません

平均、ちょっと、小玉気味ですけど、窒素が1人勝ちしないように調整しています

調整方法ってさらっと書きましたが、そこには、もちろん技術がありますよ・・・・・・


樹勢も強く、1、2段目は小さめ・・
樹勢も強く、1、2段目は小さめ・・

ここから、長い話を書きます


定植直後の花落ち、玉落ちなどの、異常については

正直、緩和する方法が見つかりません

水を減らそうが増やそうが、お構いなしです、それだと他に悪影響がでます


そこは、もう、土壌を整えるしかありません


なんにも入れず空っぽに、冬の間風雨にさらしておけば、痩せてくるので

初期、4段くらいまでは良く出来ると思いますけど

それだと、5段、6段あたりで失速しやすいので、花房を撤去したりしないと

いけません・・なんで?? なんででしょうねえ・・


1段3果に制限しても、玉伸びが大きく、カボチャみたいに膨らんで

5段あたりで、失速、花落ち、額枯れが出て来ます

ここで大量の追肥、葉面散布をしても、案外と追っつきません・・

なんで?? なんででしょうねえ


普通に勢い付けて、玉伸び抑えて栽培しても、3段~5段、当たりで、イマイチ勢いが弱く

玉が伸びない そこに追肥増やしても、樹が太くなり、窒素が多く効いてしまう

なんで?? なんででしょうねえ


これらの栽培状況を観察していて、思うことは

初期5段目あたりまで、一番大事なのは、根張りでは無いか?

地上部の出来などより、地下部の充実こそ、最優先課題

そう感じます

もちろん、根張りの為に、定植後は水をくれてやらず

我慢我慢で苗をいじめる! と言いますけどね

それで、張ってくる根って、何ですか?


主根でしょう? 水を求める主根、深く地中に潜る主根でしょう??

ミネラルとカリ・カルシウム・マグネシウムなどの塩基 それにリン酸を

吸ってくれる、細根、根毛と豊富な根圏微生物を持つ根圏環境こそ

欲しい根の事だと思うんですよ

それは、水を切ることで得られる様な物では無いですね


だから、恵南の名人は生科研のチャンス液やキッポの灌注を繰り返し、

加子母も、同じく、生科研の肥料等を多投するんですよね


カリを吸わせるのに、一番必要な物は何ですか?

結論から言って、空気です、根圏には空気が必要です


良好な根圏環境を得られる様にするのが、僕は土作りの基本だと

思っています、その土作りにはノウハウが必要です

僕も40年研究してる技術者から、買っています


その内容は、ブログには書けません、友達にしか教えられません


その土があったとして、初期の水やりは? 

追肥型の夏秋トマトの場合、欲しいのは広い横根、細根です

ですから、水は初期から大量に要ります

でも、大量に灌水すると、樹が暴れます・・・

だから、樹が暴れないように、窒素が1人勝ちしない土壌環境を

作ってやる必要がありますし、抑える技術が要ります


基本的に、下部先、上部後ですね

下部を充実させれば、上部は付いて来ます


4段~5段の花落ち、額枯れ、葉先枯れも

おそらく、根が上部に負けているから、起きる可能性が高いと思っています

樹が暴れるのも、窒素しか吸ってこない根に問題があるので

充実した細根があれば、窒素が1人勝ちする事は少ない・・・

そう思いますね・・・


定植後の6月に一番重要なのは、充実した横根、細根、根圏環境

それを可能にする土壌を作る、または育てる事・・

それを可能にする肥料と資材を活用する事・・


今、僕が取り組んでいるのは、それです


先日、中山間農業研究所の技官と話をする機会があったので

これらの疑問点を、質問しました・・・

結果は、全部否定されました・・(笑)

僕の習ってる、つかんでる理論と資材の活用は全て否定・・・

否定というか、県の研究所の路線と大幅にずれているので

まあ、ここは産地ですから、

産地の基本から逸脱するような事はやらない方が良いですよ、と

否定・・・まあいいや、研究所は袋栽培など、土から切り離す栽培の研究が

現在主流なんで、僕の様に、土の研究はしていないんですからね

公共の県がやってないからこそ

そこが重要で、栽培の突破点になるかも!と考える僕です


一応、愛知県の40年研究してる民間研究者の弟子になって習っています

僕の親父と同じ年です、ですから闇雲にやってるわけではありません

なんで農協の正式コンサルタントの生科研を活用しない?

生科研は、基本が化学ミネラル肥料なんですよ

土作りもざっくりと、あまり追求してないんです

 

僕は有機、微生物、減農薬で行きたいんです

そういう事を公表すると、産地をクビになるかもしれませんけど

ここは土耕産地なんですよ

今現在

オランダの水耕栽培で100t取りとか、

環境制御で水耕50t取りとか、国内でも研究されています

そんな中、中山間地のトマト産地が、袋栽培で生き残れるのか?


土耕ならではの利点を生かす栽培をして

土耕ならではの美味しいトマトの提供をしなくて

中山間地ならではの環境を生かさないで


平野の大産地から、大量のトマトが安価に市場に出てくるかもしれないのに

山奥で栽培してる農家が、今のままで、今後も、果たして生き残れますか?


まあ、そんな事を考えて、危機感を持って、栽培をやっています


所詮、就農9年目の48歳の、土建屋出身のトマト農家が言ってる事ですから

素人が何言ってるの?? と笑って聞き流してくださいな・・・・・・・・・

続きは、次のブログで~