結局、土、土、土・・・

Aブロック、9月中旬の様子
Aブロック、9月中旬の様子

九月も中旬に入ってみて

今年を振り返ると、結局、曇天、低温の低日照で

冷夏だった・・

しかも春先に低温と高温を繰り返し、おかしな陽気だった・・

その結果見えたことが、いくつかあります


一番生育が良かったのは、6年目のDブロック

ここは、昨年までは、病気の多い不調のブロック

過去の堆肥投入回数、1回、それ以前は畜産糞尿の捨て場の耕作放棄地


次が8年目で、砂地、昨年一番良かったAブロック

次が、同じく8年目で、細目粘土質のCブロック

過去の堆肥投入回数、2回


一番悪いのが、9年目の、砂地と粘土の中間

古いBブロック・・

過去の堆肥投入回数、3回で一番古いのですけど


基本的に、追肥と灌水は、樹勢を見て、ブロックごとに

増減させていますけど、追肥の量は大差は無いんです

微差ですね・・

灌水量も、ハウスの湿り具合で、20棟、それぞれ調整してますから

大差は無いんですよ


Aブロック、良く付いてます、花落ちも少ないし、玉伸びも良いです
Aブロック、良く付いてます、花落ちも少ないし、玉伸びも良いです

樹勢を見ながら、細くも太くもならない様に、追肥を調整してますけど

ブロックごとに、病気や花落ち、玉伸びに差が出ます

今年、聞いた事ですが

土壌の元肥と追肥に固形を使用した栽培や

追肥に固形肥料を使用する栽培者ほど

前半が不調になったようです

やはり、気温が乱高下して、低温気味だと

固形は化成でも有機でも、効きが安定しないようですね


僕も長年、食味の事もあって、追肥は

有機100%のペレット肥料を使用して来ましたが

それが、あまり良い方向で効いていません

液肥で樹勢を調整してるのですが、

固形の効きが、不順で調整がしにくかったです


結果として、先端も樹勢も強くなく、弱くも無い状態を維持したのですが

前半、玉伸びが悪く、小玉傾向でした・・・

もちろん、低日照の影響はあるんですが

同じ標高の近隣の新規就農者の方が玉伸びが良いんです


それだけでは無く、仲間の石川農園でも

ここは、もう長年モミガラ堆肥を投入しています

これは低窒素で作った堆肥なので、1年寝かしても

モミガラは分解していません、それを長年投入してるせいか

石川農園の土壌は、ほんと低ECなんですよ、データを見ると

窒素は空っぽなんです

これはこれで、窒素の聞きにくい土壌になってますけど

玉伸びは、うちに比べたら、圧倒的に良いんです・・


つまり、うちのハウスには

樹勢には出ない程度に、カリの吸収を抑えるくらいの

窒素、アンモニアなのか硝酸なのか判りませんけど、有るようです

他に、土壌菌の働きも悪い気がします


その差が顕著に出たのが、盆明け・・

今年は褐色輪紋は出ませんでしたが・・

もちろん兆候はあるんですけど、広がりませんでした

そのかわり、cf9を打ち破る葉カビが発生し、全体に広がったのですけど

それが、BとDでは差が付きました

昨年まで、病気の代表ブロックだったDは、今年はなぜか

ほとんど発生せず・・Bブロックに、相変わらず出ました

AもCも出ましたけど、消毒でなんとか収まりました、ところが

Bは、消毒しても、止まりませんでした


この葉カビ、液肥で、うちより、窒素を多投してる石川農園の方が

まったくと言って良いほど、出ないんですよ・・

もちろん、菌の少ない新規就農者も、ほんと少ない


我が家は、病気、葉カビとか、褐色輪紋とか

中から来る病気が多いんですね

樹勢は、うちと石川農園なら、うちの方が良いのにもかかわらず・・


葉カビだけで無く、後半の玉着きや、玉伸びにも差が付いて

BとDでは、収量にも3割くらい、差が付いています


その差は何だって事ですね・・・


樹の先端を見て、土を見て、葉先を見て

追肥と灌水量を調整するのは同じなんです


同じような生育にしてるのに、大差がついてしまう


これが、1ブロックしか無いと、腕が悪い!

腕が良いんだ! で済んでしまいます。

(もちろん僕もたいした腕では無いですけど・・・)


このブロックごとの違いは、6年前に投入した

市販のモミガラ鶏糞堆肥の投入量に比例しています

好天で、気温の乱高下の無かった、一昨年は

その影響を感じませんでしたが・・

気温の乱高下のあった、昨年、今年は、

わずかですが、その影響を感じています

それと、冬場に雨に当てていない事も、それが長引く原因の一つでしょうね


同じように、管理して努力しても、それが実らず

結果に大きく差が付いてしまう

これは、この6年間の結果を振り返ってみると、よく判ります


毎年、毎年、結果を検証し、改良を繰り返し、努力してきたけど

あんまり結果は好転しませんでしたが、それでも、続けてきました


今年は、あれほど、不調続きだった、Dブロックが

がらっと、好調なブロックに変化しました

努力に違いがあるわけでは無いんですけど、結果はそうなった


土の中の、いろんな状況が好転したんでしょうね

その流れなら、A、Cブロックも来年好転するでしょうし

Bブロックも再来年くらいには、劇的に好転するかもしれません


もちろん、普段の努力を続けて来たから、急激に好転して来たのだと

思います、勝手に良くなった訳でも無いでしょう・・


この6年で、得た、土作りのノウハウは無駄になっていないと信じています


結局、土壌ですね、土壌をよくすれば、

美味しいトマトを沢山栽培する事が出来る


あとの栽培管理は小手先ですよ・・


でも、その土壌、土作りが、一番不明な点が多く

県の農業普及科でも農業研究所でもやってないのです


だから、僕が、僕の先生とやってきた、土壌改良の技術は

貴重なノウハウですね・・これが、今後の

ハナイチトマトのアドバンテージにつながると考えています


もちろん、仲間には、教えて行きますよ

産地には協力して、みんなで良くしていくつもりです


頑張ります~