9月のまとめ・・・・ハナイチトマトの栽培について

1段、がっつり発生した褐色輪紋と思われる黄変葉
1段、がっつり発生した褐色輪紋と思われる黄変葉

久しぶりの病気発生

葉カビからの褐色輪紋が発生・・しかも

1段だけ・・

このときは既に、施肥は窒素ゼロで、リン酸カリ、カルシウムと微量要素のみです

 

1段だけ、枝ごと腐ってしまうんです
1段だけ、枝ごと腐ってしまうんです

面白い事に

その1段をのぞき、上も下も葉カビだけなんですよ

不思議でしょう? 褐色輪紋だと思われるけど

輪紋がまったく出てないんです・・枝の枯れる状況だけ

褐色輪紋と同じなんですよ

1段だけ、葉が落ちて、終わり?なんです

かつて、5年目の時、褐色輪紋が止まらない時は

1段だけで無く、3段くらい続いて、幹にも無数の輪紋が出ていました

久しぶりに葉が腐れ落ちましたけど、1段で終わり・・輪紋無しなんですよね

なにか、その1段に集中して、異変が起きた・・

なり疲れと、窒素過剰(しかもアンモニア?)の集中点でしょうか??

 

普及員も名人も組合長も・・原因はよく判らないそうです・・

そんなものです、人の畑でおきる事は、よく判らない事が多いです

 

その上も下も、葉カビだけなんですよ
その上も下も、葉カビだけなんですよ

とりあえず、その1段だけで止まったし

葉カビも、急激に収まってきました・・

そこまで来るのに、盆から窒素を減らし始め

すでに約10日ほど、窒素の供給を断っています

もちろん、カリや微量要素、カルシウムも水も減らしていません

 

病気の発生した部分はバッサリ撤去します
病気の発生した部分はバッサリ撤去します

早急に人を頼んで、病気の部分の撤去を行いました

さっぱりと撤去しましたが、葉カビすらも止まってくれました

もちろん、葉カビ用に強力な農薬を何度も散布したから

葉には、おそらく農薬成分が付着してますからね

斑点は出ていますけど、カビ自体は黒く死んでいます

あらたに増えてくる様子は無さそうです

 

玉が出ようと何だろうと、人を入れて撤去します
玉が出ようと何だろうと、人を入れて撤去します

玉が出ちゃいましたよね(笑)

なので、玉伸びが落ちますからね・・

病気は出ない方が良いですよね

 

僕は、病は土からって、良く言うんですけど

これは、強烈な地力窒素の放出を予想できず

追肥を減らさなかったのが一番の原因です

人間でも太りすぎは、病気になりやすいですからね

トマトも同じですよね?

 


栄養成長の証拠


肥料、とりわけ化学窒素は停止してます

窒素分はアミノ酸肥料による追肥だけです

あとは、PKとカルシウム、微量要素だけの供給ですけど

もちろん、水も減らしていますけど、切りません

それでも、ぶくぶくと脇芽が出て来ますし、伸びます

アミノ酸による、窒素分は、ごくわずかですから

ぶくぶくと伸びるって事は

それだけ、残存窒素があると言う事ですね

 

花芽から枝と脇芽が出て来ます
花芽から枝と脇芽が出て来ます

先端は太くないんです

でも、上段の花芽が、栄養成長の強烈さを物語っています

花芽から、1番、2番花の後、葉が必ずでていますし

葉の根元から脇芽が出て来ます

それで、1番、2番花と3番からが、離れ、後の花があまり良くないです

 

殆どの花芽から、枝と脇芽が発生してます
殆どの花芽から、枝と脇芽が発生してます

なので、脇芽と、葉を切り落としますけど、

一房だいたい、2果に、小さいのが2果付いてる?って感じで

正直、あまり良い状態では無いと思います

これは、先端が太くは無いけど、栄養成長になってる事を意味してると

言えますよね・・

おそらく、窒素過多が、じわじわとあったと言う事ですね

5年目の頃の様に、アンモニア過多なら、もう、花も付かず枝だけになったり

付いた花が全部、ポロポロと落ちてしまったりするんですけど

今年は、窒素過多ではあるけども

枝は出るけど、一応、2果+2果は付いています

なので、まだ、ましな方かもしれません

 

液肥にしたおかげで、調整もしやすく、減肥もすぐに出来ます

予想して、追肥を減らせば、対応可能な範囲に落ち着いているから

これが、堆肥の残留物なのか、固形肥料の残留物なのか?

判定出来ませんけど、液肥の残留は想像できないから

畜産糞尿も固形肥料も、どちらも使用を止めてる以上

いずれは、起きなくなると思いますね・・

今年は、まだまだ、勉強になりました・・・

 


摘心作業


摘芯作業に入ります
摘芯作業に入ります

摘芯作業に入ります

産地のマニュアルでは、9月の5日頃

手で、小さな先端を撤去するとありますけど

肥料も切れず、ワサワサ伸びてるのに、小さな先端切っても

すぐに脇芽で、元に戻ります

なので、僕は、一定に伸ばして置いて

バッサリ切り取る方針にしました

 

窒素切ってるのに、ワサワサ
窒素切ってるのに、ワサワサ

もう、脇芽がすごいんですよね・・

もちろん、ここまでに、生殖成長に切り替わるように

葉面散布に施肥パターンの切り替えは行っていますよ

それでも、余った窒素分は出してもらいたので

敢えて、頭の脇芽を伸ばし、引っ張り出す方針です

脇芽を伸ばすと、根も伸びますからね・・たぶん・・・・

 

もうね、バッサリ・・
もうね、バッサリ・・

それで、したから、高枝ハサミでバッサリ行きます

高所作業台車とか、高下駄とか、かえって手間が掛かるから

これで十分なんです

これを2本買って、パートに切ってもらいます

どこで切るかは、この時点で、

実の付いていない花芽の下で切る

という判断で、やってもらっています

 

そのまま、ポンって・・・・
そのまま、ポンって・・・・

のままつかんで、台車にポンです

簡単で早いですね

 

スッキリ~
スッキリ~

あっという間に作業終了ですよ・・

ちょっと、上向き作業なので、クビが疲れますけどね

作業的には、楽ですよ

 

サッパリ~
サッパリ~

脇芽も一旦全部撤去しますけど

その時、脇芽の葉っぱを残します

少ない光量を受ける為と

玉が秋の日差しに焼かれないように

葉は必ず、残します

 

この時点で、病気の進行は止まっています

なので、葉カビの薬では無く、灰色カビの薬を散布して

あとはエヒメAI等の菌体資材の散布と

もちろん、PKと微量要素の葉面散布もやってますけど

それだけでも、十分、防げていると思います

灰色カビも、窒素が過剰だと、出やすいようですけど

脇芽も出して肥料を引っ張り

残留窒素が殆ど無くなれば、玉も伸びるし

灰色カビも少なくなる・・そう思いますね

 


農家の営業


8月に行った、成分分析結果報告書と

簡単な花村トマト農園の紹介パンフを付けて

うちの、営業資料を作って見ました

これを、うちの取引してる営業流通会社に渡して

来年のハナイチトマトの販売の営業をしてもらいます

 

ただ、一農家が、小売店にトマトを売り込みに行っても

なかなか相手にされにくいですよね

なので、僕は、時間をかけて、HPを運営し

ブログを書き、FBでも投稿を続けているんです

ハナイチトマトの名前と、マスコットキャラクターの商標を取得し

周辺の直売所にトマトを置いて売ってみる

そうやって、取引先を広げてきました

そうやって、花村トマト農園の信用を積んでいるんです

もちろん、トマトその物が不味かったら駄目ですけどね・・

 

この、HPも直接販売用ではありません

あくまで、農園のアピールの為にやってます

もちろん、売って欲しいという要望には、売っていますけど

そんな、絶品トマトを栽培してる訳じゃ無いから

個人のお客さんだと、ほぼ2度目の注文が来ません(笑)

HPだと、期待値が大きすぎますよ・・味の違いは微差ですよ微差

まあ、大箱しか無いと言うのもありますけどね

 

ブログはね・・産地の改革の提言をしてます

これも、販売用ではありません

僕の営農姿勢の表明をしてるだけなんですよね

 

でも、これからは、農家も営業が必要だと思います

もちろん、産地も同じですよ

仲卸任せで無く、産地としての営業と宣伝

これは、これから必要だと思います

 


9月の定例会にて


それぞれ、自分の車で行きますから、もう、車列が出来ます
それぞれ、自分の車で行きますから、もう、車列が出来ます

9月の終わりに、いつもの定例会です

いつもやるから、定例会なんですけど

まあ、ぞろぞろ見て回るのは変わりが無いんです

 

いつもと変わりませんね

ただ、いつもと違うのは

規模の大きい人ほど、いつもより手入れが入って無い

こういうことをブログに書くと叱られるけど、敢えて書くと

石川さんもスタッフが足りない上に、イチゴ栽培を始めたせいか

昨年と比べても、手が回っていない様だし

若手もY君も、面積を広げ、子供が生まれたおかげか

やはり、手が回っていない

組合長も、同じく、まったく放置に近いハウスもあった

 

9月の末になるのに、相場も例年より安いまま・・

この時点での組合長の見通しは、あまり上がらないまま

10月は早めに下がるだろうと言う話しで

今年は早く出して、早めに切り上げた方が良いだろうという

予測でした・・・

 

手入れが回らないと、10月の出荷は伸びません

後半は冬春も出て来るから相場も下がるし

もともと、出荷量も販売量もウエイトは小さいから、手入れしても

差は少ないのかも知れませんけどね

 

夏秋トマトの出荷日数は7月から11月中旬まで、精々130日です

この130日で、1年分の収入を得るんなら

最後の1日まで、しっかり出荷すべきです

市場は、10月後半は安値になるけど、契約は

最後まで、変わりません・・10月は8月より契約金額は1段高いし

出荷量を減らさないようにして、稼ぐのです

11月の最後の日まで、出せるだけ出すんです

 

協選で相場と反収だけで考えれば

反収を上げるのはやはり前半に、それも7月の前半に大量出荷を狙ったりします

契約は、一定の数量を持続的に出荷することが大前提です

食味も、熟度も大切です・・

 

しかし、どちらであろうと、最後の一個まで、出し続ける事は

大事じゃないでしょうか? それが、僕らのトマトを買ってくれる

お客様に対する、信頼ではないでしょうか?

安くなるから、さっさと終わりにするとか

エスレルかけて、早期に熟させるとか

どこを見てるんだろうか? と思ってしまいます

 

なるべく長く、うちらのトマトを食べてもらおう

しかも、11月のトマトは格別に旨い!

市場だと、叩かれますけど、実際旨い!

それをお客様に届けたい・・

しかも、しっかり代金も欲しい (笑)

産地もそういう風になると良いと思いますね

 

僕は、就農して、10年間、一度だって、最後まで

放置したことはありません・・

人を入れて、人件費をかけてでも、最後まで、手入れしますよ

そのおかげか、予想が外れ、長雨のせいで相場は下がらず

高止まりしています・・契約より高い位です

僕は10月でも結構出荷できてるので

すこしは助かっていますからね

最後まで、手は抜くべきでは無いと思いますよ・・・・

 

最後は組合長のハウスで、車座になって、話しをします
最後は組合長のハウスで、車座になって、話しをします

9月のまとめ

岐阜クリーン農業の話しが出て

9月に中旬にハスモンヨトウの警報が出たので

ハスモンヨトウの殺虫剤のみ、1カウント増えたようですが

 

そのさい、組合長が、今年は、曇天と雨が続いている

灰色カビが心配だ、警報出るなら、早く出して

灰色カビの殺菌材を1カウント増やして欲しいという要望をだしました

そうすれば、薬がめいっぱいで使えなくて、駄目になる農家が

出荷出来て助かるから・・・出るんなら、早めに出して欲しい

結構強めの要望でした・・

 

今でも、20回、ヨトウで21回 さらに1回で合計22回

化学農薬の総使用回数を制限してるのは岐阜県くらいらしいですけど

22回だと、制限だとは言えないかもしれませんよね

もっとも、制限の無い県では、25回くらい使用するのも普通らしいから

これでも、一定の制限にはなってますよね

でも、もともとの制限は18回、これでは足りないから20回に増えた

さらに、警報で2回も増えては、岐阜クリーンの存在価値は下がりますよね

 

制限があるから、その範囲で済ませるように

農薬を減らすにはどうしたらよいのか?って

考える為の岐阜クリーンじゃ無いんでしょうか? (笑)

事実、僕は一番酷いときでも、18回でなんとかなりました

今年も、酷くなったので、あまり制限しなかったけど

それでも、14回で足りています

20回で足りない人は、なんにも改善していないんですよ

改善無しに、農薬をかけるなら、クリーンでも何でも無い

と、思っています・・

まあ、大概の農家は18回以内で済んでいますから

東美濃トマト協議会は、18回に戻し、あとから増やしません!

てやった方が、産地の信用が増すと思うんですけどね

 

18回で足りない人は、産地内で、他の人から

制限を買い取るってのは、どうでしょうかね? (笑)

なんにせよ、農薬の使用量をなるべく増やさない

そういう取り組みと研究も必要だと思いますよね

 

がんばります~