平成24年8月 栽培日誌ブログ

トマトの生育16、今年の秋は?・・・・

朝日、すでに午前6時
朝日、すでに午前6時

暑いですね、暑い・・・・

収穫、出荷、手入れ

作業は休み無く続きます・・・・熱中症に気をつけて作業します

 

日の出と日の入り時刻が毎日、遅く、そして早くなっています

日中の作業時間は秋に向けてどんどん短くなります

日中も涼しくなるので、昼の休憩時間を減らし、作業時間を確保します

まだまだ、中盤です、10月末まで、休む時間はありません

体をいたわりつつ、ぼちぼちと、ゆっくり急いで、がんばります~!

 

東美濃農協は今それほど出荷量があるわけではありません

むしろ今年は8月の出荷量としては、悪い・・・・

なのに、単価は底値

なので昨年の25%位しか売上金がありません

 

やばい・・・・倒産の文字が頭をよぎる

不作と暴落・・・・まさか両方来るとは

 

8月の晴天は良いけど、6月の低温、曇天の影響が今出ている

それと、売れないらしく、不作でも市場単価の暴落・・・・

 

今年は農家殺しの年だな・・・・

 

 

最近の桃太郎の様子

葉面硝酸値、約2000PPM

先端は普通、玉着きは、普通

玉伸びは、いまいち

 

どうにも調子が出ない桃太郎トマト

裂果も少し収まって来たが、次段の玉伸びが悪い

7月頭に窒素過多が出てから、ずっと狂いっぱなし

調子が戻らない・・・・

おそらく根痛みが出た後、根が戻らないと見える

 

来年は桃太郎サニーから撤退

もし今年、桃太郎を主力にしていたら

間違いなく来年は生産停止に追い込まれた・・・・倒産だ

 

市販堆肥の投入による、土壌バランスの狂い

狂いに弱い桃太郎

暴落

 

経営の息の根を止められる状況、さあどうする?

土壌の改善、品種の変更、売り先の工夫

追いつかない、改善が危機に追いついていない

 

もう一度、経営計画、技術を練り直そう

幸い、スモールビジネスなので、借金も少なく

何とか、まだ持ちこたえられるから

 

新規参入者で資金も無く始めた人なら、ひとたまりも無く、頓挫する

 

就農を考えている人・・・・普通に就農すると

高リスク、低リターンだからね

安定して金が稼ぎたいなら、別の仕事を進めるよ・・・・

 

少ない希望をつなげているのが

レイカの栽培状況

 

前半の低温と7月頭の窒素過多の影響は出ているが

玉も着き、玉伸びも良い

 

今、レイカが稼いでくれているので、まだ持ちこたえられる

後半の玉も、まあまあ着いている

 

盆明けに、窒素が強く出て、少し状況が悪くなったが

すぐに収まり

葉面硝酸値は何と600PPM

 

今までと違って、ずいぶん低いけど、樹は旺盛で太い

玉伸びも良い、病気も昨年に比べたら、ほんとうに少ない

ありがたい、希望がもてる・・・・

 

 

桃太郎が裂果にやられたように

レイカもまた、品質低下に悩まされている

 

今の玉は、7月頭の窒素過多の頃の着果、開花の玉

玉質がいまいち悪く

銀粉果、そしてつや無し果

レイカはつやが無いと規格が下がる

つやつやしたような玉で無いといけない

 

それがこのところ、銀粉果を抜けたと思ったら

つや無しになってしまった

 

つや無しの理由は、窒素過多、水不足、根痛みとか・・・

うちで考えられるのは、窒素過多

それと、リン酸が効いていない

もちろん、追肥でリン酸は投入し、葉面からも投入している

それでも不足のようで、今年は葉先枯れから、カリを大量散布していたのだが

相対的にリン酸が不足した可能性も考えられる

リン酸は過剰に投入すると、逆に微量要素、カルシウムなどが効かなくなるので

控えめにしていたのだが、窒素過剰、カリの大量散布などと重なった

可能性があるかもしれない

 

とりあえず、今の玉は直らないから、リン酸カリの散布

リン酸系のアミノ酸の散布などを行い、改善を計って見る

 

葉面硝酸値と樹の状況は必ずしも正比例で動いているわけでは無いと思う

あえて、機械で数値を計らず、樹の状態の観察に徹していたのだが

樹は旺盛で、盆明けから樹勢が強くなってきたので

肥料の窒素比率を早めに下げていたのだが

葉色も良く、玉伸びも良いので、様子を見ていたら

600PPmとは・・・・低い

通常、1500PPmほしいが

樹の様子から

葉面にたまっていないだけだと予測されるので、追肥は増やさないで

葉面散布だけで様子を見る

 

桃太郎は2000PPmと高めに出ているが

これは、消化してないだけの可能性もあるので

微量要素、リン酸カリの散布強化で様子を見る

玉伸びが悪いのも、裂果がひどいのも、根痛みなど何らかの理由で

リン酸カリ、微量要素、カルシウムが回っていないと考えられる

盆前後に窒素が強く出たと感じられるあたりに

やっぱり、病気が出ている

 

硝酸値は低く、樹勢は強く

微量要素、カルシウム、カリが良く効いていれば

病気はそう出ないはず、

 

それが崩れると何らかの障害がでると、僕は見ている

 

すすカビ病が、広がったハウスがある

褐色輪紋が、広がろうとしているハウスがある

疫病、その類似病が、広がろうとしているハウスがある

 

それぞれ理由があるはず、農薬は全体でカウントを取るので

それぞれ散布は出来ないので、ローテーションで散布する

農薬は農薬として、それぞれ発生の理由を考える

 

それに合わせ、葉面散布と追肥でバランスを取り

葉を取って整理して、風を通し、病気を抑える予定

 

 

どうにもコントロール出来なかった昨年に比べれば

今年は天気が良いのと、土壌窒素も減っているようで

そうひどい状態にならずに、生育がコントロール出来ていることは

ありがたい・・・・

それも、レイカと言う、過剰窒素に鈍感な品種にしたおかげもある

桃太郎は、敏感で、すぐに調子を崩すので、正直、怖い

 

農家は毎年、毎年、技術革新をしながら

いろいろ考えて必死で栽培している

それでも、うまく行かない事もある

 

ほんの、2,3年不作を出せば、それで倒産するリスクもある

 

それでもって、市場で簡単に、価格をたたかれる様では、魅力のある仕事とは言えない

 

それも考えないとね、トマト栽培を進化させ続けるためには

やっぱり、儲けないといけない

農家も、笑顔で働けるように、儲けないといけない

 

考えよう、そして改善し、努力していこう・・・・

そう簡単に負けないよ、こうして進歩して行くから

大企業が参入して来ても、個人で戦えるのだから。

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トマトの生育15、桃太郎ってやつは・・・・

桃太郎、裂果、規格外品
桃太郎、裂果、規格外品

暦の上ではもう秋・・・・

ちょっと風が乾いて、気温が下がってきました

 

上の写真は桃太郎サニー

六月後半頃の花の玉です

この頃は曇天、土壌からの過剰窒素と

花が悪かったですが、案の定、玉になってもコンディションが悪いです

 

今、採取出来るから、今の条件で玉が決まるかと言うとそうでも無く

やはり、花芽分化と着果したときの条件の方が影響するように思えます

これより3段上はコンディション良さそうです

 

裂果の原因はいろいろと、考えられ

東美濃では、遮光をしたり、灌水を夜中にしたりと、いろいろ試行錯誤を

していますが、実際はよく分かりません。

桃太郎は、初期の玉伸びが早く、一気にぐっと伸びます

そのとき、中身に対し皮の成長が追いつかないのが割れる原因です

 

水や窒素を一気に吸い上げ、カルシウムなどの成分が負けると

割れるように感じます

 

1年目、2年目は、ほとんど割れませんでした

3年目から、土壌からの過剰なアンモニアなどの窒素に、樹がやられるように

なってから、病気が発生し、裂果が猛烈に増え始めました

 

今年は、定植後の1、2段はきれいな玉でしたが、3から6段程度

定植後の影響を受ける段、7月はじめまでの曇天の段で、玉が悪くなりました

過剰窒素の押さえが出来た6から7段以降は花も良く、玉も良さそうです

 

このあたり、桃太郎は本当に反応が敏感で、土がしっかりと出来ていないと

良い玉は出荷出来ません、本当に作りにくい品種ですね。

シルバー頼んで下葉欠き
シルバー頼んで下葉欠き

第一回目の下葉欠き

自分では手が回らないので

シルバー人材に頼んで、下葉を欠いてもらいます

 

葉は、下の方から、枯れてくるので

採取している、玉の下、枝2本を残して取ってしまいます

 

こうする事で、風が入り、乾き、病気も防げるし

光合成には二酸化炭素が必要なので、空気の換気も良くする必要があります

地面も蒸散で乾くので、灌水も多くすることが出来て

土壌の換気にもなります

 

まあ、経費はかかりますが

下葉を欠いた方が、結果としては良いので、必ず行います。

 

 

桃太郎の様子

 

写真の通り、樹は元気ですが、玉着きは良くありません

窒素過多も過ぎましたが、花落ちも多く、玉が少ないから元気です

追肥も控え、あまり肥えないように調整します

 

1,2段は稼いでくれましたが・・・・今は無駄飯くらいです

桃太郎は、寒くても玉が伸びるので、後半に稼がせるため

調子が悪くても、手入れに手抜きはしません、

上段の玉に期待し、中間の分まで余分に着果させます

 

 

この~、稼げよ~、って言いながら、手入れします

ほうとうに、桃太郎サニー、嫌いになりかけてます

味は、甘くてジューシーですけどね・・・・・・

レイカの様子

 

写真の通り、樹も元気で、着果状態も良いです

 

桃太郎が、落花、裂果で傷んでいるところは

レイカは、少ないけど落花、小玉、銀粉果で調子は今ひとつです

銀粉果は、窒素過剰の時に出ます、グリーンバック玉も同じですが

今年は、グリーンバックは少なく、大量の銀粉果です

銀粉果はC品で出荷出来ます、今年は単価が安く、

A品とC品の価格差が小さいので、影響が少ないです

 

レイカは、窒素が強いと小玉になりやすいので、以外と収量が伸びませんが

それでも出荷出来るだけ、桃太郎よりましですね

 

それに、玉伸びがゆっくりしていて、最初は、桃太郎より小さく感じますが

出荷出来る頃になると、追いついてきます、この玉がゆっくり伸びるせいか

ほとんど裂果が出ませんし、空洞果も少なく

桃太郎に比べ、玉が重いのです

なので土壌、気象、条件が悪くなっても、製品率が圧倒的に良いです

ここは大事な所ですね・・・・

 

味はすっぱみが強く、ゼリーが少なく、ジューシーさは無いですが

糖度は桃太郎と同等で、赤くして採取する分、リコピンも多く

濃い味のトマトが好きな人には良いですが

ジューシーな甘さを求めるなら、おすすめしません。

今、ちょうど六月後半からの長期間にわたる曇天

そして、低気温の影響を受けたようで

選果場全体に出荷が少ないです

 

着果不良、空洞果などが多いようで

僕も、レイカが稼いでくれてますが、小玉も多く、

例年と比べて、今ひとつです

 

出荷量が少ないのに、単価も昨年より下がっています

なので、ちょっと厳しい状態が続いています

 

レイカと桃太郎はプールするので基本的に単価は同じですが

実際は、レイカはある程度契約の様な状態になっているので

相場が安いときは、

選果場としてもレイカのほうが高く売れていることも多いようです

トータルでは、東美濃中津選果場の場合

平均単価はレイカの方が少しだけ高いような状態です

 

桃太郎は作りにくく、製品率が低いのに、安い・・・・

桃太郎推進派は、レイカでは硬くて酸っぱくて不味い・・・・

あんなトマト売ってたら、ブランドの名前に傷が付く

トマト嫌いが増える・・・・絶対に桃太郎だ~

って言ってました、現に僕の地区では、一昨年までは

レイカは選択禁止でしたから

 

実際は、レイカの方が高く売れる

それに、製品率も良い

桃太郎が美味しい産地はレイカもやはり美味しいのです。

 

市場の担当者は、言います

特徴のある品種、商品は売りやすい

東美濃のトマトは、市場からわずか2時間という近さであり

輸送時間の短さなどから、高い品質で送る事が出来ます

超、辛口選果もあって、比較的高単価で取引されます

 

それも特徴の一つです

 

桃太郎が絶対みたいな事を言う古参の農家は多いです

でも商品の価値を決めるのは、買う人、お客さんです

 

1部の地域のように、同じタイプのタキイの桃太郎、サカタのリンカ409を

高原トマトのひとくくりで出荷し、出荷基準も、東美濃より緩い所もあります

単価は少し安いですが、それはそれで成り立ちます

 

生産性の悪い品種が、たとえ美味しくても、生産性と引き合う値段で

買ってもらえなければ、それをかぶるのは、農家です

 

商品ですからね・・・・

本来、ニーズに合わせ、生産原価に見合う金額で

取引してもらえるような、商品(トマト)を企画し

開発していく事を、しないといけない

いつも、桃太郎では、それを放棄している様な気がします

 

美味しいのは基本ですが、生産性と販売価格に見合う

商品開発と技術開発はこれからの産地に必要だと思いますけどね

 

 

 

 

消費税増税・・・・

これの賛否はさておき

増税されたら

市場は当然、スーパーから増税分の値引きを要求される・・・・

農家が買う資材費は当然値上げされる

農協はそんなに資材費を安くするような交渉はたぶんしない

 

なぜなら、今現在、僕が商社から見積もりを取って買う資材の方が安いから

 

市場価格を抑えられ、資材費は増税され、市場、農協の経費は固定され

結局、生産者である農家がすべてかぶる事になる

 

どの産業でも同じ、下請けが、増税をかぶるのです

 

そして、つぶれていく

 

さあ、どうする、・・・・

年金も払わなければならない俺たちには待ったなしだ

組合が手を打たないなら自己防衛しないと行けない

さあどうしよう・・・・

 

就農してから、常に考える、さあどうする?どうする?

 

今まで通り、知恵を絞り続けるだけ、絞って絞って、行動する

これを繰り返し、努力します。

 

ハナイチトマト・・・・買ってください!

 

 

 

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トマトの生育14、いろいろと思うことあって・・・・

早朝5時の月
早朝5時の月

今日は8月6日

広島の原爆記念日

 

黙祷・・・・・・

 

戦後67年、日本が戦争をしなくなって67年

かつて日本が、これほど長い間、戦争をしなかった事があっただろうか

世界も争いの無い世界が来ると良いなあ

 

政府のパブコメにも、脱原発で発言した

まずは、自分が出来る事からやっていこうと思う

この時期、農業者のブログを読むと

みんな、もう倒れる寸前まで働いているのが分かります

 

でも、倒れません・・倒れたら終わりだから

自営業、倒れたら保証がありませんから、寸止めで、休みます

 

お父さんもつらいけど、倒れたら、家族がつらいので

寸前で、セーブします

 

そこまで、働いても、そんなにお金が入ってこないのが農業

いすに座って、無難に1日過ごすだけで、月収50万も、もらえる仕事?

きっと世の中にはたくさんあるだろうけど、少なくとも農業は

体力全開に仕事しても、なかなか、お金もらえませんし

倒れたら、終わりです

 

だから、もっと、きちんと収入が確保できるようにしないといけないなあ

天候に左右され、相場に左右され、スーパにたたかれ・・・・これでは

新規に就農する魅力なんて、あるのかな?

朝5時になれば十分に明るくなります

明るくなったら仕事です、暗くなったら寝る・・・・・

 

早朝、静かに気持ちの良い朝

こうして、気分が良いなあなんて言ってられるのも

健康だから・・・・健康に働けるからです

二日酔いでは持ちません、健康維持も大切な事です

健康に働ける事に感謝!

早朝のハウス、静かで気持ちよい空気
早朝のハウス、静かで気持ちよい空気

本当に快晴が続き、ありがたい、ありがたい

農業は天候に左右されます、努力しても、天候には勝てません

 

リスクが大きいです、これが企業が参入しない理由です

天候リスク、スーパーは、国内市場が不作なら輸入するか

物がある他の市場など、どこか、から持って来れますが

農家は自分が不作なら、終わり・・・・終わりです。 

クリームソーダ、コーヒーフロートのおじさん二人
クリームソーダ、コーヒーフロートのおじさん二人

おきまりの、恵南トマト協議会の目そろえ会、第2回目がありました

終わったら、上矢作トマト組合はおきまりの喫茶店での一服

最近は、誰もたばこを吸わないから、コーヒーブレークですか?

 

僕も、おきまりのコーヒーフロート

石川農園のスタッフ、三郎君もクリームソーダ

石川農園の社長もコーヒーフロート

何故か女房だけは、ホット!、この人は昔から、寒がりで、冷たい物はあまり飲まない

まあ、冷え性らしいのですが、この暑いのに、ホットをよく飲むなあ、

生ビールは冷たいのが好きなのにね~

石川農園社長と女房、社長はコーヒーフロート、女房はホットを注文!
石川農園社長と女房、社長はコーヒーフロート、女房はホットを注文!

アグリセンター倉庫で行われた目そろえ会

いつもとおり、挨拶の後

3班に分かれて、サンプルを見ながら

最近のトマトの状況をチェック!

 

最近は軟化玉、銀粉玉、空洞果が多く

はね出しも増えたとの事

 

超辛口選果の東美濃農協、中津選果場

 

ほんと、A品が通らない、C品ばかりになってしまう

単価的には、他産地よりも高いようですが・・・・

C品にも通らない、赤すぎの玉なども、当然増えるし、なので

少しでも金に換えなくてはならないので

直売所に流れる、トマトも増えます

 

それでいて、全国的には品過剰だそうで、相場は安いですよ~

スーパーの話では、暑くてお客が来ないそうです

それで、とにかくトマトが売れないそうです

その割にはスーパーのトマト、あんまり安くは無いのです

いつも売れない売れないって、僕にはわからない?

組合長が言います

 

今年は、相場が安くなりそうだ~

 

流通は安くなる理由をいくつもあげている

組合長も、納得して、仕方ないからとか言ってる

安値になったときの価格安定基金の補助金の話がもう出ている・・・・

 

僕が就農してから6年、今年は高く売れそうだ~なんて話は聞いたことは無い

実際、安値の年が多くて、2回も補助金をいただいている

結果として、不作で高くなった年というのはありますけど・・・・

全体が不作で相場が高くて、自分が不作じゃ無いときは

確かに、儲かりますけど、自分も不作なら、高くても

そうは残らない・・・・

 

世の中の景気が悪いのだから、物が売れないのは分かる

だから流通は安くなります~と宣言する

で、安かったら、補助金で少しだけ補填する。

組合長も安くなるから経費を掛けないで、金を掛けない経営をしよう

そう言いますけど、農業は工場と違う

原価割れでも機械を回せた方が良いだろう的な下請け町工場

その苦しみは農業でも分かります

だから今、日本で下請け町工場が無くなっています

当然、農家だって後継者不足になっています

 

原価割れした場合、実は年金もらって耕作してる年寄りの方が

経営的には強いです・・・・もう生活経費が少ないから

僕らは、初期投資も回収しなければならない、子供を養わなければならない

年金を掛けなければならない・・・・生活費が必要です

だから、原価割れが続けば、最初に倒れるのは、新規の若手農業者なのです

組合役員は、もう何十年もやってるような古参農家がほとんどで

なにか挑戦していこうなどと、そんな気は無さそうです

 

新規就農者はそうは行きません

実際、農協の示すモデル経営では、生計が成り立ちません

新規で土地も資金も住むところも、持ってなかったら、

この東美濃で就農することなど、まず無理ですね・・・・

 

僕の様に、土地も資金も持っていればまだ平気ですが、それでもいろいろと

旨く行かない事もあり、楽ではありません

以前鳴り物入りで退職金を投入し、水耕栽培の施設を作った人がいましたが

農協の想定プランを下回る生産状況で、退職金を回収するのに18年かかるとか言ってました

55歳で早期退職して投資分を回収出来るのが、73歳以上になります

それまで健康に働く自身があるのでしょうか?

 

なので、新規の人間は、最初は農協のプランに乗っても

栽培技術についても、販売方法についても、つねに、より最善の方法を

考え、模索していくことになります

 

わずかな補助金よりも

つねに新しい方法を開拓しなければ

いずれ、いきずまり、倒産するかもしれない

つねに、この危機感が、背中を押しています

だから古参の農家から見れば、連帯を乱す存在に思われるかもしれません

でもね、必死なのです

下請けの様な立場に我慢して耕作するなら

農業なんて、そうおもしろくは無いです 

 

農家の後継者不足、新機就農者の反乱、当然の時代の流れです

いまの流通システムがそれを生み出しているのですから

 

僕も、技術的にも、新規開拓し、平均収量を5割増やす方法を模索しています

実際には、堆肥などで失敗しましたが、必死で改良し、技術を構築しています

収量だけで無く、トマトをより美味しく栽培する方法も合わせて研究しています

そのために、農協以外の技術ブレーンを探し、技術供与を受けています

 

販売も農協がメインですが

商標を登録し、個人ブランドも作ってみたり、いろいろ模索中です

 

古参農家いわく、なんでそんな事をするのだ!

みんなと足並み合わせれなければ、組合から出て行け!

何度言われたか・・・・

 

でも、就農した以上、これで、家族を養い、生きていかないといけない

商売にはルールはあっても、禁止技は無い、あの手この手を模索するのが

商売人なんです、農家だって、売ってる以上は商売人なんです

おとなしく栽培し農協に納めていれば良い時代では無い・・・・

 

僕は戦いますよ~、のたうち回っても、必ず道を切り開くしかない

それで始めて、子供達も、農業に興味を持ってくれる

田舎暮らしに興味を持ってくれる・・・・

まだまだ、道中ば、5年間の勝負の結果は4敗1引き分けですが

今年は引き分け、来年からは勝ちに行きます!

ていうか、今年はまだ勝負ついてませんから

 

はー、長い話ですいません

毎年変わらずに、安い安いと言われるのに、うんざりしまして、ちょっと愚痴りました

さあ、明日からも、がんばるで~

 

 

追加で、お詫び・・・・します

 

他の地区のIターン就農の方からお叱りをいただきました・・・・

どこも厳しいと・・・・確かに新規就農者はどこで就農しても厳しいですよね

 

上矢作トマト組合は月一で、出荷休みの日に半日

各圃場を回ります、まあ時間に余裕は無いですが

昔からの決まりなので、従います

9月は視察と決まっているので、愛知県のある地区を上げ

お願いをしたのですが・・・・ 

そこの方に言わせれば、忙しい時期に、無理言うなと・・・・

お宅ら~そんな暇が良くあるね~って、そうかもしれません

 

まあ、うちの組合に刺激になれば良いなあと思ったのですが

それぞれ事情がありますからね、なるべく秋遅くにしてもらうよう

お願いはしたのですが・・・・

 

ここは年寄りばかりで、少し悠長な一面はあります

僕も、ならされた感がありますね。

 

どうもすみません

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トマトの生育13、暑いですけど、少し落ち着きました。

1日の始まりです
1日の始まりです

皆様、ご無沙汰しております・・・・

暑くて、ばて気味だったのと・・・・

子供達が夏休みに入り、家にいるのと、子供の夏休みの行事が始まり

ついでに、トマトの本格的出荷も始まり~

全部、重なると・・・・パニックパニックパニパニ~パニック!

まあ、暑さは、準高原地帯ですから、さわやかな物ですが

それでも、急激に気温が上がれば、その差は、都市と同じですから

やっぱり、体にはこたえますな~・・・・

子供の行事は、なるべく女房にお願いしますけど

その分、トマトの関係は一人でこなさなければならず・・・・

この、夏休みから盆明けまでが一番忙しいのです。

早朝、台車にコンテナを載せて

トマトを採取して回ります。

天気が良ければ気持ちの良い朝ですけど

雨でも、晴れでも、採取はします

雨ならカッパを着たまま、ハウスの中を回ります

トマトもぬれます、完全にクローズしたハウスでは無いので

軽トラに積み込みの時や、通路を歩くときはぬれます

このあたりは、まだ改良の余地はありますけど

中山間地の、小さいハウスの寄せ集めでは

致し方ないです・・・・

 

この半月は雨も降らず天気が良いので

朝は涼しく、気持ちよいです。

暑いと・・・・猫は涼しい所を探して

伸びてます~、だらーん、て、何だお前ら・・・・

下駄箱の上で、手桶に足を入れて寝てる猫

廊下で伸びてるやつ

踏むぞ!て怒鳴りながら、ちゃんと避けて歩く飼い主

まったく・・・・・・猫も暑いのは嫌いだね

ちゃんと涼しい所を探して寝てる。 

7月の定例会、暑いけど回りました・・・・

7月26日、いつもの様に、定例会

毎月一回、上矢作トマト組合の組合員の農場を

全員で回ります

上矢作で、レイカを栽培しているのは

うちだけなので、僕の提供で試食会をしました

結果は、まあ好みの問題・・・・

 

決して桃太郎が絶対的に旨い訳では無い・・・・と思う

 

僕が一番標高の高いところに住んでいるのと

ハウスの天井も通常より50cm高くしてるので

うちが一番涼しい~ということがよく分かりましたけど

その分、気温が下がるのも早いので、やはり、保温対策をしないとね~

最後は、おきまりの、座っての報告会で終わります

さすがに日中は暑くて、あまりハウスの中に長い時間は

いられません・・・・

いつもより早めに回ります

特に変わったことも無く、まあ普通ですね

 

農薬の話が出ました

皆さん

葉カビ、すすカビ・・・・・

下葉に出てます、だんだん上に上がってきます

何を散布しよう~て相談してるけど

葉カビ、すすカビの登録のある薬はどれだ

なんて話をしてます、あと安いのはどれとか

登録は人間の都合で、菌に効くか効かないかは、また別の話

安い薬と言うのは、確実に効く薬で

高い薬は効かない薬・・・・

葉カビにしか登録が無くても、灰色カビでもすすカビでも

効く物は効きます、効かない物は登録があったって、効かない

普及員は立場上、登録以外の話は出来ないそうですが

僕らは農家、トマトに使用できる農薬で、確実に効けばそれで良いのです

褐色輪紋病に登録のある薬は少ないですけど、ネットなどで

試験結果が公表されているので、確実に効く薬でトマトに使用できれば

少々高価でも、僕は使います

 

効かない薬でも、化学農薬は化学農薬

どうせ使うなら、最新の物で、確実に効かし、

同じような薬を、何度も使ったりしない方が、消費者のためだと考えています。

 

僕は、葉カビが出るなら、消毒の時に、薬だけで無く

樹の栄養バランスを取るために、葉面散布資材を同時に使用した方が良いと

提案してるのですが・・・・もったいない・・・・だって

そりゃヘタすると農薬より高く付きますけど

病気がでるのは、バランスが崩れているからで

薬だけで無く、バランスを取るのが優先だと僕は思うのですが・・・・

そういう考え方は、異端児?なので

病気がでたら、はい薬、登録は~ってのが一般的です

農薬の希釈倍率は勝手に変えることは出来ませんが、葉面散布材は

自由なので、夏場は薄めて消毒にまぜて使えば良いのです

まあ、バランスを取るために、樹の動きを読んで、各種の資材を

処方して散布するのは、農薬を選ぶ以上に、複雑ですからね・・・・

勉強していないと出来ませんが、僕たちはプロ農家

そのくらいやって普通では無いでしょうか?

 

最近の花村トマト農園の様子・・・・

朝、5時の太陽

夜、7時の月

今日も1日が始まり~また終わる

 

まあ日中は昼寝しますけどね、熱いから・・・・

炎天下の仕事は避けますよそりゃ・・・・

我が家で使っている各種はさみ

採取用の葉先が湾曲した、採果はさみ

細い先端の、剪定はさみ

 

普通は採果はさみは、バネ式の物を使う人がほとんどですが

僕は、握るのに力がいるのと、疲れてくると手から滑り落ちることが多いので

バネの無いはさみを、わざわざ探して取り寄せて使っています

 

好みですけどね・・・・僕は、仕事の道具にはこだわるタイプなので

ついつい、いろいろ取り寄せてみますし

はさみは、高価でも、切れ味の良い物しか使いません

 

弘法は筆を選ばずって言葉もありますが・・・・・

僕はかなりこだわって選びます

 

道具、農薬、肥料・・・・こだわりのトマトですから?

 

草取りした後の草・・・・毎日でます
草取りした後の草・・・・毎日でます

マルチが無いから

草は生えます、だからシルバーを頼んで草取りします

定例会で回ったとき、シルバーを頼むのは、金がもったいない

マルチを張れば必要無いのに・・・・いつも言われます

栽培上張らないだけで、お金だけでは無いのです

短期に高収量を上げるために張ってないので

マルチを知らないわけではありません

 

これもこだわり? それともへそ曲がり?

褐色輪紋病がまた動き出しました

これは、薬と言うより、窒素過剰になると発生する指標の様な物ですから

ベルクー水和剤、セイビアー20フロアブル、など

灰色カビしか登録が無いですが、褐色輪紋菌に効く薬を優先して使って

それ以外にも、窒素の施肥を控え、リン酸、カリ、カルシウムを増やし

窒素消化資材を使用することで、今の所、動きを止めています

 

葉カビ、すすカビはほぼ出ません、この辺は葉面散布材で

かなり押さえられますし

かぜ通しを良くしてやることも大切です

 

疫病は、発生しかけましたが、予測して、化学農薬の予防材を

しっかり効かしてあるので、広がらずに止まっています

 

灰色カビは、晴天続きで動きを止めていますが

玉が灰色カビに負けるのは、僕の印象では

窒素が効き過ぎた状態の時の花や玉に発生が

多いように見えます

 

病気の多くは窒素の過剰や他の要素の過不足から発生すると考えられます

今回、土壌窒素の発生と天候の絡みで、花落ち玉落ち、病気の発生に

一定のパターンと関連性があることがはっきりと分かりました

こういうことは不作で失敗するとよく分かります

まあ、周りは誰も認めませんけどね・・・・

でも、今年は病気も押さえてるし、花落ちも減りました

こう言うと、たまたまだってすぐ言われますけど、

自分で予測して、予測に通りになったときの、達成感は

他人には分かりません

小さなノウハウを貯めて、少しずつ、微差ですが

技術を高める努力をし続けて行きます。

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