ハナイチトマトの品種は現在、サカタの「王様トマト・レイカ」を使っています。
「桃太郎」は、輸送中に軟化してしまうため青い状態で収穫しますが、
サカタの「王様トマト・レイカ」は、赤い状態まで樹上で熟させることができるため、
より美味しい状態で食卓にお届けすることができます。
「ハナイチトマト」は、主に麗夏(レイカ)とう品種を栽培しています。
トマトには「ガンなどの予防効果が示唆されている抗酸化物質リコピン」と「うま味成分であるグルタミン酸」が含まれています。
この含有量は収穫した時点の熟度で決まります。
収穫の熟度が高ければ高いほどリコピンやグルタミン酸の含有量は高くなります。樹で赤熟することで「王様トマト 麗夏(れいか)」は
① うまみ成分であるグルタミン酸が豊富で味にコクがある
② ガンなどの予防効果が示唆されている抗酸化物質リコピンの含有量が高い
といった高い栄養価があります
また、ほど良い酸味と甘みのバランスが良く、肉質がしっかりしている事から生食意外に
鍋や加熱調理にも相性が良いという特徴も兼ね備えています。
《トマト成分分析結果(日本食品分析センター調べ)》
まとめると・・
ガンなどの予防効果が示唆されている抗酸化物質リコピンの含有量が高い。 |
うまみ成分であるグルタミン酸が豊富で味にコクがある。 |
酸味と甘みのバランスが良い。 |
肉質がしっかりしている。 生食の他に加熱調理にも相性が良い。 |
リコピンの抗酸化力は、ビタミンEを0.3としたとき、リコピンは31。
ビタミンEの100倍抗酸化力があるそうです。
リコピンの多さが、レイカの特徴ですね。甘さについては、夏秋トマトでは桃太郎と同じ糖度で 約 5~6度です。
桃太郎より酸味が強く、堅めなので甘酸っぱく、味が濃い・・。
これが、現在のハナイチトマトの特徴です。
平成28年シーズンに、ハナイチトマトを成分分析してみました。 サンプルは、7月10日に収獲したトマトを使用しました。
分析の結果は・・・
うちのトマトは酸味が少ないんです・・、なので、ビタミンCが少なめなのは致し方ありませんが、
抗酸化力とリコピンは高めの数値がでました! こんな、成分分析を個人で行う農家は、少数派ですね。
分析費用、結構高いんですけどこれも、営業用ツールの一つですから営業宣伝費ですね。
何故有機100%栽培にこだわらないのか?
有機野菜は健康で美味しい? そういわれています。 何故でしょうか?
栽培の肥料を化学肥料から有機肥料に置き換えただけなら それほど、美味しくはなりません、なぜなら、
有機肥料といえども吸収されるときは、その大半が無機体まで分解されるからです
有機肥料は土が一度食べて消化して、無機状態に分解してから作物に吸収されます
だから化学肥料はストレートに吸収され土が消化する必要がありません 一部アミノ酸などでも吸収されますが、
大半は一旦、土で分解されます 美味しくなる理由はここです、土が食べる、つまり、土が生きている しかし、
土が消化できる以上の有機肥料を投入したり、土作りと称して、土が消化不良をおこすほどの有機物を投入したりすれば、
有機栽培といえども、百害あって益無しだと考えています。
畜産糞尿由来の場合、塩化ナトリウムや、アンモニアが大量に発生し植物に悪影響を与えます
土は生きている、作物は生きている土から栄養を供給されている。
このことの理解なしに有機栽培をおこなっても、作物は健康に育ちません。
土を生かし、無理のないように有機肥料を与え、 農産物として自然の循環以上に作物を持ち出す以上、
不足する各成分を必要な分、化学肥料でも補ってやるのが私のスタイルです。
有機肥料も高価ですが、アミノ酸体のものや分解しても、アンモニアを大量に出さないタイプの物を使用しています
化成肥料と有機肥料をそれぞれ使い分け過不足無く、バランス良く育てるため
土壌の生命力を活性化する事を第一に土作りもしています 自然とはかけ離れた状態のハウスで、
連作栽培であり、品種改良されたトマトでは、病気は出ます。
それでも、虫除けも使い、農薬も作物が健康なら、少なくてすみます。
私の一番のお気に入りトマト、どうぞ、味わってみてください。
個人的に、畜産糞尿は一切使用しません これは、技術の所でも述べていますけど
就農4年目から今まで、今後においても 畜産糞尿由来の、堆肥もボカシも使用しません
理由は様々ありますけど、これについては 技術の所で、書いていきます
僕の所は、標高670mの土地です 平均地温も低いです、その状態において、
果菜類 特にトマトにとって、完熟と言えども、畜産糞尿は相性が良くない
最初は良くても、いずれ、合わなくなる・・・・
賛否両論合って、これについては、批判もあるでしょうけどあくまで、
僕の個人的意見、個人的ポリシーですのでご容赦ください
1、 人間でも病気を出すのは、例えば脂質の取り過ぎなど、食生活にありますね
植物でも同じだと思います、奇跡のリンゴで有名な青森県の木村さんの書籍にあるように
トマトの大敵、カビ菌類やアブラムシなどは、トマトの樹の中の消化しきれない窒素がその最大の原因だと考えます。
土壌に窒素があると、植物は窒素を優先して吸収します。
水分と共に、必要以上の窒素を吸収しないように、土作り、元肥に畜産由来の堆肥、
ぼかし肥料は過剰に使用しないで、完全腐熟した植物堆肥や粘土だけを使用し、
土壌を自然栽培の状態に近づけるのが一つの取り組みです。
2、 植物用サプリメントを使用する、 ハウスの中でトマトだけを大量に生産する以上 どうしても、
強制的にバランスを取らないと収量が得られません、
ミネラルやカリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、ケイ素と言ったトマトの細胞壁を作る
微量成分も、葉面散布や液肥で補い、植物の健康を保ちます。
3、 対処療法ですが、化学農薬を使う前に、昔からある化学農薬では無い農薬、
硫酸銅、塩化銅、炭酸水素ナトリウム、カリウムと言った毒性の無い無機塩農薬
納豆菌由来の微生物農薬を予防薬として、先に多めに使い化学農薬の使用量を減らす
粘着テープによる捕虫、ニームオイルやイオウ剤などの忌避物質を使用し虫を減らし
微生物殺虫菌を使った殺虫剤を優先的に使用し、 残留性の高い農薬は極力使用しない。
全無農薬ではありませんが、少しでも減らしていく事を目標に、試行錯誤をしていきます。
26年度より、岐阜クリーンの基準が18回より20回に増やされました
これは、多くの農家からの要望だそうです・・・・さらに、病気の注意報が出れば、その都度1回、1回と追加されます
こういう基準値を採用してるのは、全国でも、岐阜県だけだそうです
総使用回数を気にしているのは、岐阜県の農家くらいだそうで それで、20回に増やし、
さらに注意報が出るなら・・だったら、最初かっら、やらなければ良いような気もしますけど・・
それでも、総使用量を制限しないより良いのだとか・・・
この基準は、化学農薬で年間18回まで、化学肥料窒素成分で23Kgまでと言うのが上限で、
従来の慣行栽培より30%削減された数値です。 非化学農薬は制限無し、有機窒素は制限無し、
育苗期間は数に加えないなど 十分ではありませんが、一応の制限にはなっています。
化学農薬で18回と言うのは、一般的には多いように思われますが 生産者的には、結構厳しい回数で、
いかに慣行栽培が、農薬を多用しているか、やってみるとわかります。
僕は平均14回ほど化学農薬を使用します、もちろん非化学農薬は20回程度使用し、化学農薬を減らしています。
窒素も、有機窒素肥料を取り混ぜ、化学窒素肥料は平均15Kg以下にしています。
僕の農薬使用の個人ガイドラインは 出荷時期の殺虫剤は残留性の有機リン系の物は使用しない、
今話題のネオニコチノイドは育苗期のみの使用に抑える、窒素に関しては、有機でも土壌に余るほど必要以上に与えない、
当面、これを目標に、栽培パターンを試行錯誤しています。
家族が安心して毎日食べられるトマトを、 僕が農業で安心して、家族を食べさせられるだけの生産量を達成する、
無理矢理に、無農薬に挑戦しても、僕が立ちいかなくなったら、意味が無いので、慣行に合わせながら少しでも、
農薬を減らす努力をして行きます
当面の目標は化学農薬の使用量を18回の半分9回程度に控える、ネオニコチノイドの使用をゼロにすることです
平成27年度までは、畑にマルチをせず、有機の置き肥などを使用して 生えてくる雑草は、
人の手で抜いていましたが その人出を確保することが、難しくなってきました
シルバー人材の担い手が減っており、草取り作業などを避ける傾向があるためで、
今やってくれる人も年齢から徐々に引退し、次の引き受け手が見つからないのです
なので、28年度から、全面マルチに変更します・・・そのために、27年度から、水に空気を持たせる装置の導入に踏み切りました・・・・
これにより、マルチの下でも、土に充分な空気を持たせる事が可能な様です・・
それと、有機の置き肥が使用できなくなるので、新たに有機の液肥を採用し、灌水施肥します 有機比率は、
下がってしまいますけど、 置き肥はその性質上天候の影響を受けやすく、
昨今の気温が乱高下する気候では不安定要素の一つになっていたので、
そこを 安定させる為にも、溶液を中心にした施肥体系に切り替えます
大転換ですけど、技術的には確率していますので、ハナイチトマトの品質に与える影響は、
良いか悪いか?たぶん、問題無いと思います・・
草取り人件費は、そう大きくは無いのですけど、それでもマルチの方がはるかに安価ですね。
今までの有機の固形肥料のコストより、有機の液肥の方が高価なので全体的には、コストは上がりますね・・・
なんと言っても、水に空気を持たせる装置が一番高価で、国内でもトマト農家には、前例がないそうで
販売会社が言うには、花村トマト農園が、たぶん国内1番目だそうです・・
それでも、ハナイチトマトの品質を保つ為には手抜きは出来ませんので、やりますよ・・・・
畑には、雑草は生えてきます。
当然ですが除草剤は使用しません、何らかの物質が残り、だんだん、植物、トマトの根が張りにくくなると、言われているからです。
草は全て人力で取ります、経費を掛けてもマルチを張らない理由は
土を生き物と見なして栽培しているからです、土中の微生物の働きに期待しているからです。
生き物は呼吸をしています、土の乾湿により、酸素、二酸化炭素を動かしたいのです
トマトの根も呼吸しています、マルチをすると、乾湿は安定しますが、呼吸は減ります。
土により多くの呼吸をさせるためにマルチは使っていません それと、マルチはその土壌状態により
土中の有機物をマルチ無しより早く消耗させるという可能性もあり 土の体力維持のためにも、張らない選択をしました・・
と言う考えが基本にありますけど 諸般の事情により、マルチを行う事になりました。