平成25年2月 栽培日誌ブログ

オフシーズンの日記 その4

育苗施設、高設栽培用の足のパイプ
育苗施設、高設栽培用の足のパイプ

先日やっとこ、育苗ハウスの築造に関われました

ハウスの片付けがなかなか終わらず

天気も悪く、仕事がはかどらずに滞っていました

 

写真は、育苗ハウスの高設架台の足です

普通の丸パイプを切断して

ボイド管を切って型枠にして

生コンを打設して、固めただけです

 

生コンは、気温5度以下では、通常は打設してはいけませんが

この日も5度すれすれで、ほとんど硬化しなくて

逆に、ボイド管に詰めるのに時間がかかったので

ちょうど良かったです

夕方には何とか水も上がり

夜間には零度まで下がりましたが

異常なく硬化しました

 

コンクリートは、乾くのでは無く、水と化学反応で硬化するので

初期は水が必要です、水中の方が、安定して硬化しますが

温度が低すぎて、化学反応の前に凍ると、まったく硬化しません、ぼりぼろに砕けます

今回は、零度に下がる前に水和反応が充分進行したのでセーフ

ところが、次の日は日中、常にマイナスだったので

もし一日ずれると、打設不能でした

こういう日は硬化剤を投入した生コンを使用しますが、どっちにしろ

水が凍る温度では、駄目です、冬場の、生コン打設の苦労は

土建屋時代に、いろいろありましたから、まあ、このくらいは軽いですね

 

農家さんが、この足を作る場合、建築穴あきブロックを買って来て

半分に割って、穴にパイプを差し込み、手練りでモルタルを練って

穴に詰めて、使用する・・・これがここらでは普通ですが

ブロックの方が接地面が小さく、高く付くので、僕は土建屋バージョンで

やってみました・・・

 

 

 

 

 

主骨は昨年建てて、1年さらしていました

業者に頼めば1年で作れますけど

お金も倍以上かかります

 

一人で立て方もやる以上、時間は倍かかります

造成からすれば、実に3年かかっていますけど

その間に、泉農園で、育苗の研修を受けて準備していました

全部業者に発注したら3倍ではききません・・・

過剰な資金投入をさけ、少しづつ、研修しながら

準備してきました、毎年、計画も変更し、設計してきました

 

農業はワンメイク、規格品もありますが、自分の土地に合わせ

自由設計が出来ます、そのための経験を積み、自分に最適な設計を

して、自分で組み立てる、これも、投資金額を少なくする工夫です

 

育苗をするだけなら、規模拡大にならないので、補助金はありません

規模拡大なら、助成金がもらえますが、設計にも制約があります

自分の自由にはなりません

 

農協も、岐阜県農業普及所も、現在は播種から接ぎ木の自家育苗を

あまり進めてはいません、これの理由は

技術的に難しいのと補助金が無い、それに、育苗施設の標準パッケージが無い

定年就農や、定年間際就農だと、覚えた頃には、引退することになる

大手育苗業者があり、比較的安価に買えるからです

僕も就農時に、これからは接ぎ木苗は買うべきである

そう、レクチャーを受けました

 

実際は、施設を自分で設計し、施工したばあい

その資金回収に必要な年月は、たった3年・・・・

たった3年で、初期投資分の金は回収出来ます

ぼくの場合、元土建業だからできた造成工事、井戸工事など

普通の就農者では不可能な自己施工分を勘定に入れると4年ですし

純粋に業者発注なら6年かかりますが

普通の就農者で施設だけなら、約3年で回収出来ます

 

つまりそれだけ、苗には利益があるのです

それを回収しない手はありません、若い人なら、回収に6年使っても

育苗は自分で行うべきですね、特に接ぎ木苗の場合は・・・

そういうことは誰も教えてくれません

苗は難しいぞお・・・・こう言われるだけです

 

ただ、ここ東美濃農協中津選果場管内でも、農協の支援はありませんから

自分で技術を研修できる人を探し

あちこち見学して、施設設計と施工が出来るだけの人脈と経験を積む必要があります

この産地でも、口を開けて待っていても、誰も教えてはくれません

どの業種でもそうですが、自分で、学び、つかみ取る努力は必要ですね

 

それに就農から6年間、農業やって、そのうち3年は購入苗と

研修で自分で播種して育てた苗を比べて気がついた事は

 

購入苗は、素直で無い・・納期を守るため、いろんな調整や、作為が行われ

自分の所に来たときの状態は、ベストで無い

自分で栽培した苗は、播種から自分で調整しているから

鉢上げのベストタイミングや、苗の状態の推移が良く分かる

 

鉢上げしてからの調子の良さは、自家播種のほうがずっと良いと言う事です

資金回収の早さといい、苗の調子の良さといい、自家播種接ぎ木は

挑戦するだけの価値はあります

 

欠点は、リスキーだと言うこと

事実、先駆者の組合長達は、自家播種を薦めません

何度も失敗したりして、リスクが高いと言います

 

なので、僕は、あらかじめ、あちこち、リーサチして

情報を集め、より確実な方法と、施設を設計したわけです

これも、努力です、先駆者がうまくいかないなら

何故うまくいかないのか理由を解析し

うまくいってるところを見ればいい、そしてまねをすれば良い

それくらいの努力はしなければ、挑戦などしない方がましです

 

僕もいろんな方から話を聞いて、情報を集め

人的なパイプを作り、おかげで、多くの方に助けられています

今度は、自分が経験を積んで、また誰かに教えて行くことで

誰かの助けになれば、良いと思っています。

 

直って来ました・・・僕の愛車のトラクター

たった小さなコントローラー一つ交換しただけで直りました

この部品、たった5万円・・・・・

 

中のコンデンサーかなにかの原価など千円くらいでしょうが

部品一式交換になるので、5万・・・・

完全にシールされていて、ばらすこともできません

 

18年前の車体、この部品が無かったら、使用不可能

事実、昨年の4月のブログに書いたけど

家のもう一台の、日の本トラクターはこれが無くて

電子工作の出来る友人にばらして、直してもらって、事なきを得ましたが

出来なければ、使用不可能になります

今時、手動で高さと水平の調節などやってられない・・・・

だいたい、コントローラー調整だけで、手動のレバーすら付いていないから

手動で作業は出来ない・・・

 

たとえ5万でも、天下のクボタ・・・・部品があるだけまし

 

そういう風に考えてます

 

部品さえあれば、長く使えます、メーカーは製造中止後10年しか

部品保持の義務はありません、部品が無いので買い換えて下さい!

こう言ったらメーカーは儲かる?・・・でも消費者はそんなに

余裕が無いんです、そんなに都合良く買えません・・・・

だから、部品が出てくれれば、ありがたいのです

 

まだまだ25年までは使用する予定です

トマト農家に取って、わずかな時間しか使用しない

トラクターは新車の必要は無いんです

 

こういう所は、渋ちんです

 

育苗の様に稼げる設備には、多少高くても、安全側を取って

設備投資しますけど、トラクターのように、使用時間がわずかの機械は

時間で計算すると、投資の回収が出来ないから、決して新車は買いません、 

 

手持ちの、資金には、限りがあります

 

どこに資金投入して、どこは削るのか、ここら辺も

しっかり見極めるために、自分の経営方針も

しっかり考える必要があります

 

回収出来ない資金、経費は出来るだけ削るべきですから

 

これも、多くの人を尋ね、話を聞いてリサーチする

自分なりに、情報収集して、解析し、方針を決める

そういう努力をする必要がありますね

 

僕自身、多くの仲間に助けられて、感謝しています。

 

ここまで読んでくださって、それも感謝です!

 

 

 

 

 

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オフシーズンの日記 その3

良く雪が積もりました

20~25cm位でしょうか

おかげで、屋根ビニールの汚れも、少しだけこそげ落とせました

 

しかし、仕事は、はかどりません

片付けと温室の新設は、遅れています

 

犬は寒くても平気

この雪でも元気に飛び回っています

 

我が家の猫は? 

当然、暖かい部屋で丸まっています・・・

ようやっと、ハウス内の草もはぎ取り

軽トラックで運び出し

外に山積みにしてあります

満載で15台、大型ダンプ1台分より、多いくらいの容積です

三分の一は表土です

表土には濃い硝酸塩が昇華しているし、雑草の種も付いているので

出せる限り、雑草と一緒に搬出します

 

雑草の吸収分と表土搬出も、畑の塩類除去の一つです

 

硝酸塩とは硝酸が土のカルシウム、カリ分と結合した状態の物をさします

 

一番下のブロックは、カリも硝酸も少ないのにECが高い

これは、畜産糞尿由来の塩化ナトリウムが疑われます

事実、土壌の塩素量も1桁違います

粘土質が強いため、水を貯めても、塩基が抜けにくいのでしょう

ナトリウムはそれ自体は毒にも薬にもならない

入浴剤などにも大量に入っていて、自然界に普通にありますが

ハウスの中にあると、土壌のCECを余分に掴んでしまうので

畑では、じゃまな存在です

 

この後、ハウス内にため水して、脱窒を試みますので

ナトリウムも抜けると良いです

 

月末に、某県某所のトマトハウスを見学しました

ここは、〇スバーガーに出荷したり、地元スーパーに

名前を出して出荷している、もう20年以上トマトを栽培している

ベテラン農家で、僕が目標にしている人です

 

1段に、Lサイズの大玉が5個~7個もぶら下がっています

暖房費が高騰しているので

温度が取れず、赤くならないの

今年は出荷量が落ちているとのこと

 

試食させてもらいましたが

サカタの麗容ですが

糖度は8度くらいありました

ただ、皮はちょっと厚めで酸味も強く

冬春だけに、味の濃いトマトでした

 

この方のトマトハウスは、毎週視察者が来るほどの

実力の方ですが

僕も夏秋で、同じくらいのレベルになりたいと

目標にしています

 

 

修理に行ってきます~
修理に行ってきます~

やっとこさ、ハウスも片付いたので

起耕しようと思ったら

今度は、トラクターが故障しました

機械的故障では無く、電子部品の故障のようです

古い18年選手、僕が買ったときすでに10年以上経過していましたから

何時、壊れてもおかしくはありません

トマト農家に取って、トラクターは主力の機械では無いので

新車を入れる価値はありません

 

農機具屋は新車を売りたがりますが

趣味で農業をやっているわけでは無いので

新車は必要無いのです

 

日本のトラクターと言えども、実際、良く壊れます

壊れなければ、韓国製のデドントラクターでも

ちっとも構わないのが本音です

 

まあ仕方ないので、修理に出して

先に出来る仕事をします

 

育苗温室の新設です

もう待ったなしで、建造を始めます

2月のブログでは、この建造の様子をお伝えしますね。

 

 

 

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