花村トマト農園の基幹技術は、コール農法です


最近は、モスファームや、各場所で、使用され始めたので

書きますが、花村トマト農園は、就農当初からコール農法です

コール農法が何か?は、ネット上では出せません

僕自身は、就農時から、コール農法開発者

僕の親父と同じ年齢の、長浜さん(通称顧問)から、直接、技術指導を受けています

また、土作り、栽培手法は、顧問に師事して学んでおり

僕が、先生、先生とか言うのは、全て、その顧問です

 

コール農法開発者、通称(顧問)については、ネットでも調べられます

コール農法そのものの視察については、顧問の紹介以外は、受けられませんし

当然、HP上で、それらの技術については一切説明しませんので、お願いします

 

もちろん、すでにコール農法の農家同士でも

競争に入る段階に来ていますので

今、目指しているのは、コール農法農家同士の中でも

さらに、頭一つ上に出よう・・と言うのが、目標です

 

今確立された技術を守るのも大事ですけど

さらに、上、さらに、上って・・・・

コール農法に限らず、いろいろ研究して

試行錯誤していますよ

 



競争に入る? とは

この意味は、トマト生産量は、全国的にあまり減っていないのですが

食べる人口は減っていますので、産地同士の競合もありますけど

産直農家も優良小売店の奪い合いになって来ていますので

お客様に、より、美味しい、欲しいと思って頂ける

商品としてのトマトを生産出来るか?という競争です

 

そのために、基幹技術は、トータルの栽培思想は顧問の理論を学び

資材は長浜資材を基本的に使用しておりますけど

他に、理論上の不足要素部分について

長浜ラインナップに全ての資材があるわけでは無いので

サカタの高機能液肥シリーズや

ロイヤルインダストリーの高機能肥料

ミヨビなどの、ホルモン資材

鉄力アクアとか

えひめAI、光合成細菌

マイクロバブル、ナノバブルなど・・・

多岐にわたって、必要な要素を

チョイスして、使っております

 

とにかく、バトルロワイヤルな農業競争に生き残る為に

いろいろと、必死に取り組んでおります

 

でもね、農業経営に一番必要なのは

商売人としての、心構えですよね・・

生産者であり、供給者としての、自分のトマトの商品価値を

しっかり考えられるかであって、

そのために、栽培技術を応用するのであって

栽培技術が前面に出ることは無いのだと思います

 

美味しく作るのか? それとも、収量を上げるのか?

契約用に長々と栽培するのか、短期で収量を上げるのか?

目的によって、同じ技術でも、使い方は変わって来ます

 

自分の経営の方向性を良く見極めて、技術についても

学び、応用して行きたいですね・・

 

顧問の試験施設・・これは、顧問のお遊びですかね
顧問の試験施設・・これは、顧問のお遊びですかね

顧問の年齢は、僕の親父と同じ年、それにしても、元気だと思いますね (笑)

気力がありますね、技術を開発するという気力・・・

顧問が元気なうちに・・(笑)・・もっと、いろいろ習っておきたいと思いますわ・・

 


堆肥についての考察

良い堆肥、という言葉に気をつけてほしい



技術の話も、ここに掲載してるのは、過去の記録ですね

最近の技術については、ブログにも書いていません

第3世代肥料、資材の使用についても、書いてません

それでも、開示しても良い事については、順次

開示していこうと思っていますので、農閑期に

書き直す予定です


僕が一貫して言っているのは、夏秋トマトの土作りにおいて

良い堆肥を使用せよとは、言わない事です・・

良い堆肥! この言葉が一人歩きしてます

新規就農者は気をつけてください。 良い堆肥!!

自分の圃場の土について、よく知り

堆肥についても、よく勉強してから

どういう方向性で、土を作って行くのか?

学んでから、堆肥は使用してください・・


現代農業とかの雑誌に書いてあることも、鵜呑みにしないことです

継続的に、責任持って、取り上げてるわけでも無いんです

僕は、定期購読者ですけどね・・


それまでは、簡易に、ふりかけ君エコとか、ゼオライト

ピートモス、腐食酸資材を投入して、

あまり、土を、大きくいじらない事が重要です

堆肥も、最初は、少量にしておくことが大事です


人間の病は中から来ます

トマトの病気は、土から来ます・・土作りには

慎重過ぎるくらいで、良いと思いますよ

これは、大失敗をして、1000万単位の損失を出した

僕からの忠告です・・・・



トマトと会話する?


 トマトと会話する・・・良く聞く話です   名人のところに見学に行ったときまず言われた言葉

朝ハウスに行ったら、土見て、先見て、葉っぱ見ろ!

それから肥料・水を考慮しろ! きびしい顔で言われて、緊張しました。

名人の畑にはマルチが敷いてありませんでした、何故ですか?と聞いたら、

マルチがあったら土が見えないだろう!と言われました。 草は手で取れば良い、土が見えない方が

問題だと言われました。この名人はこの産地でも有数の収量を誇る名人です、以来僕もマルチをやめました。

当たり前ですがトマトはしゃべりません、  こちらがトマトの出すシグナルを読み取らなければいけません。

最初は、いろんな教科書、資料を読んだり。普及員、技術コンサル、古い農家などから聞いたりしながら。

こういう姿はこういうのが原因などど、一つ一つノートに書きためながら覚えていきました。

しかし、人により資料により書いてあることが違う!。そして自分のトマトに必ずしも当てはまらない事が

出てきました。 何故なんだ?何でこうなるの?  わからない日々が続きました。

好きこそものの上手なれ。 上手く言った物ですね、僕はとにかくトマト栽培にのめり込んで行きました。

寝ても覚めてもトマト・トマト・トマトの毎日、何を話していてもトマトの話ばかり。

その中で、僕はトマトを、植物をわかってない。

土と樹の関係、植物の持つ循環体系など、症状だけでなく全体、

人工的なハウスの自然界全体を見なければ、今目の前で起きていることの正確な推測は出来ない、

と言うことがわかってきました。

知識と、経過と、直感でハウス全体のトマトを中心とする自然界を観察する。

今の僕はその入り口で悪戦苦闘しながらも、好きなことをしているから、わくわく、どきどきしながら、

自分のトマトと向き合っている状態なのです。  

端から見れば、僕はまさにトマトと会話しているように見えるそうです。

 

平成28年度、10年目から、マルチをまた、やり始めました

理由は、うねの草取りをする人が、確保出来なくなった事

草取りの要員確保が安定しないので、マルチに戻しました

あと、マルチをしても、土中に酸素を送り込む方法を導入したことですね

マルチがあると、土の呼吸を阻害しますけど

水に多量の空気を持たせる事で、なんとか解決しました

もちろん、乾湿による、土の中の水の移動が無いのは

僕としては、望ましくないけど

草取りする人が確保出来ないなら、仕方無いです・・

 


岐阜クリーン・普及所・農協 産地の現況


基本的には東美農農協の中津選果場の岐阜クリーン農業の技術基準で栽培しています

僕は就農するときに研修を全く受けていません、先にトマトを始めた石川トマト農園が
すぐ近くなので、毎日のように見に行っては聞いたり、毎週、岐阜県の普及員が寄って
くれたり、農協の定期研修会に参加したりして、最初1600本のトマトを、まずは
僕一人で栽培しながら覚えていきました。書籍も現代農業や高価な農業大全や各種の
技術指導書を読みあさりながら、農協の技術だけでは物足りず、人づてに最新の農業技術指導の研修を個人的に受けたりして、自分の中に自分の農場のトマトの技術体系を作り
上げ、修正しながら技術の蓄積に努めています。  

 最初は教えてもらいながらでしたが、僕自身は結構おもしろく、科学も物理も得意分野だったので、急激に知識だけは吸収していくことが出来ました。今は石川農園の哲也も事故で亡くなってしまいましたが。 

生前は、農家は栽培技術を教えてもらう事ばかりでなく、自ら学んで習得すると言う努力が必要だよね、

新しい良い技術も進んで学ぶ必要があるよね、などとよくトマトの技術については話し合っていました。

近くに話し合う仲間がいると言うのは何よりもありがたく、お互い助けになりました。

 

普及所・農協に思うこと

 就農当初、僕に技術指導してくれたのは岐阜県の普及指導員のMさんで、それはそれは毎週のように

ハウスを訪れて、アドバイスをしてもらい、本当に感謝しています。農協も当時は選任の指導員を抱えており

基礎技術の指導にはずいぶんお世話になりました。 農業を未経験で、どこにも研修に行ってない僕が

いきなり生産体制に入っても、十分な生産量を上げることが出来たのも普及所、農協のおかげです。

あれから五年たち、今は岐阜県は普及員の配置を半減し、農協は選任の指導員を抱えていません。 

新規の人にとっては少しは厳しい状態になっていると思います。でもここは産地だから周りにもトマト農家は

たくさんいます。 僕がお世話になった分、今度は教える、アドバイスする立場になって頑張ろうと思います。

これからの普及員に期待すること

昔からの農家と、新規参入の農家では、どうも求める物が違うようです。

普及員には、県、国の施策情報、市場の情報、農薬肥料の最新情報など情報収集と提供や

販売におけるアドバイス、品種選びからデザインまで、高度な情報提供を本当は期待したい。

本来は基本的な技術の底上げですけど、産地ですから技術は農家にもあります、これからはもう一歩先の

情報提供がほしいと思います。

農協に期待すること

農家があって組合を作り専従職員を雇ったのが農協の始まりのはず。今は農協あっての農家の様な雰囲気

になってしまっている、農家囲い込みの姿勢がそれを表している。 農協自体を魅力的な組織にし、農家が

積極的に利用できるように、販売においても商社マンのようにバイヤーとしても優れた人間を専属に育てて

もらいたい。技術も選任の開発担当を置いて試験を繰りかえし技術を上げて行く。 規模が大きいのが逆に

コスト増になって値段に跳ね返るのでは無く、肥料、農薬も一番低コストに農家に提供してくれれば

農家もありがたいです。現状は担当は移動で変わってしまうし、農業のプロになろうと言う意識が

もてないのは、もう経営の問題でしょうか

新時代に

古い大半の農家は、僕のような考えではついて行けない、技術を追うと年寄りはついて行けない。

そう言われた事もありました、しかし現体制では若者がついて行かないのでは無いかと思います。

農協の青年部の集まりでも、意識の高い若手農家からは、同じような意見が沢山出ました、これは産地と

しても課題であり、話し合って新しい行動計画を考えていくべきでだと思います。

トマト栽培技術 農薬についての私の考え

農業素人で就農した僕が、ここまで学習出来たのも、こだわらずに、良いと思われる

ブレーンを見つけたら、食らいついて、その人の持つ技術を吸収する事に専念してきたからです。

他力本願で学習してきました、快く学ばせてくださった方々に感謝します。

農薬について

 慣行でただ農薬を減らすだけなら、病気を出して、全滅の憂き目に会う事もあり得ます
慣行農法の場合、いわゆる病気が出ました、はいこの薬が予防薬です、治療薬です、

回数を守って散布しましょう。こういう指導が一般的です。

近頃テレビでも取り上げられましたが、いわゆる漢方薬と西洋医学の薬の違いみたいな物が農薬にもあるのでは

無いだろうか、対処療法か体質改善をして原因を探っていくような違い、そういうのがあるのでは無いだろうか?

 

そう考えて、本やネットで調べて勉強してみると、やはりそれなりにいろんな資料がありました。

人間だって病気が出たら、はい薬、はい手術。それで完璧?そんな事は無い、病気が出たらまず食生活

それに生活や仕事環境などの事も考えるでしょう?特に食生活なんて大切じゃないですか?だったら植物だって同じはずです。 病気の出る時期出る病気は毎年一定のパターンがある、それに対処するためにあらかじめ

予防薬を散布するのだけど、冷静に考えれば!同じと言うことは原因も毎年同じじゃないかな!

そういうことが分かってきました

農協や普及員に聞いても、現行の指導体制では病気の原因は病原菌の蔓延で

何故、蔓延するのかまで、掘り下げるのは、今の体制ではしていないと言うことです 

 

花村トマト農園としての減農薬の取り組みとしては、

病気の原因の解析には、自分で調べ、最新技術を勉強する中でだんだんと技術を高めて行き、

植物本来の免疫力を引き出し病気を出さない技術体系を作りあげ、農薬の使用量を減らす努力をして行きます。

 

ただ、ちまたの木酢液とか竹酢液、唐辛子液とか農薬を自作したりするのは、私は専業農家として作物を提供

する立場上、絶対にしません。安心を提供する以上、家庭菜園などとは一線を引いています

技術に理論的な裏打ちが無いもの、自分で機能が理解できない物は使用しません。 

 

ホームにも書きましたが

農薬を減らすには、まず病気の元を絶たなければ、いけません

夏秋トマトに関しての意見ですが

僕は一次発酵が終わっただけの、畜産糞尿由来の堆肥を、土作りとして多量に投入するのが

一番の原因では無いかと思っています。

または植物由来でも発酵促進剤として鶏糞等を添加し炭素率を下げ発酵させた物。

これらが、気温の上昇と共にアンモニア窒素として土壌に出てくるのが

自分の失敗も踏まえて、トマトの病気の原因の大きな一つでは無いかと考えています。

樹体のバランスも窒素過多に傾くと、何かと病気になるのでは無いかと考えます

微量要素など細胞壁などの骨格を形成する要素の不足もあると思います

植物がバランス良く、必要な成分を吸収できるようにするのが 

無農薬のへの第一歩だと言えます。

農家としては、農薬については言わない人が多いですが、僕は正直に言います。

岐阜クリーン作物として農薬の使用制限は、化学農薬として18回となっています。

強力な農薬は食べる人よりも、まず使用する僕の体に一番ダメージを与えます。

自分自身のためにも、消費者のためにもより安全な方法を考えなくてはなりません。

現在、農薬もカテゴリーがいくつかあります。

化学農薬として使用回数に制限があり、回数を積算する物  いわゆる西洋医学の薬に該当する物

天然由来の成分、または微生物、または人体に有害でない成分を使用し、使用回数に制限が無かったり

その回数を積算しない物。   これらは漢方医学の漢方薬のようなもの

その区分けの中で、殺虫剤と殺菌剤。

この中で一番人体に影響が多いと考えられるのが、化学農薬の殺虫剤、 次に化学農薬の殺菌剤。

ほとんど影響が無いと思われるのが、納豆菌などから培養した微生物殺菌剤、硫酸銅や炭酸水素カリウム

等の無機類の殺菌剤。  

後者の化学農薬で無いものは、岐阜クリーンの使用回数に積算されません。

これらの積算されない農薬は、農薬としては直接的に効かないので、予防的に使用します。

花村トマト農園としては、これらの人体に影響のほとんど無いと思われる農薬を予防剤として回数を多く

使用し、化学農薬の使用を極力減らす技術を使用しています。

農薬の特性はカタログやネットからの情報収集で調べています。

殺虫剤も補虫テープなどを使用し回数を減らし、人体に影響の少ない物を選んで使用します。

僕としてはトマトの中に浸透し蓄積される可能性のある物は使用しないようにしています。

トマトの実の皮は意外と丈夫で、薬剤も中の果肉まで浸透し蓄積する物はほとんどないと思われます。

それにトマトの皮には、保護剤として無機銅やカリウム、納豆菌由来の保護菌類、

それらを吸着している超微粒子の粘土などが付着してますので、

当たり前ですけど良く洗うか、皮を湯むきしてもらえば

ほとんど影響はないと考えています。

ただ、専門の研究者では無いので、農家として出来る範囲で最善を尽くすと言う意味です。

肥料について、私の方針

僕の習得した技術にはもちろん先生がいます

具体的な資材名、使用している肥料のバランス構成などは

いろんな関係上、ネットでは公表出来ません

ブログを見ながら推測してください

農場を訪問してくださり、友達になればこの限りではありません

簡単な質問なら、お問い合わせをしてください、簡単にお答えしますから

自分で調べたことと、技術の概論のみ以下に公表します

 

肥料には有機肥料、無機肥料とあります。 

単純に窒素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウム

そして微量要素、それにアミノ酸やクエン酸。 

これらの成分が数字で表されています

数字が同じなら同じ肥料か?  

有機栽培なら有機肥料と銘打ってあれば皆同じか? 

家庭栽培なら知らなくても良いです。

僕らはプロの農業生産者です

使っている肥料の内容、特性くらいは勉強しないといけない。

コストもあります、結果の出ない高価な物は使えない。

土と有機肥料、無機肥料の相性もあります、

農家は本当に多くの事を知らなくてはいけない。

美味しいトマトを、たくさんとるためには、病気を出さなためには

常日頃からの勉強が欠かせません。

 

窒素成分について

硝酸体窒素と尿素体窒素の化成肥料と、

動物生タンパクを主とした物や、アミノ酸主体の有機肥料を使用し

畜産糞尿由来の有機肥料はほとんど用いません。

 

同じ有機栽培でも畜産糞尿由来でもでも有機質肥料 

大豆粕、鶏糞などを発酵させて自分で作っても有機質肥料

魚などの蛋白室から作ったアミノ酸肥料でも有機質肥料

 

土壌中での窒素の出方、吸収のされ方、全く違います

ひとくくりに有機栽培と言っても、何を使うかで変わってきます

土壌に合わせ、トマトに合わせ最適な有機質肥料を選んで使います。

 

ここは研究者の領域ですけど、窒素の形は、アミノ酸、硝酸とアンモニア体

大きく分けて、三つの形があります

基本的には硝酸とアミノ酸で使用され、アンモニア体は尿素では吸収されますが

アンモニアでは吸収されないと言われていましたけど、文献によっては

アンモニアで吸収されることも分かってきました、これにより

植物がいろんな影響を受ける事も・・・、ここらはまだ、僕も

ハッキリと答えがありません

 

畜産糞尿由来の堆肥類は緩行性の窒素を持っていると考えて下さい

どの状態で出てくるのか一概に言えませんが、地温の低い、標高の

高い場所ほど、夏場に一気に出てくる場合があるので、要注意です

 

リン酸

単純なリン酸化成は土壌に吸収され使えなくなり、また蓄積もするので、

なるべく有機由来のキレートされたリン酸肥料を用います。

今は過剰なくらいにあるのでほとんど追肥しませんが

追肥するなら、米糠から生成したリン酸肥料をしようします

 

鶏糞など、糞尿由来物にはリン酸は入っていますから、注して下さい

 

カリ

トマトは特にカリが沢山必要です、有機由来のカリ肥料はあまりないので、

ケイ酸カリを主体に硫酸カリ、炭酸カリ、それと液体のカリ肥料を用います。

 

カルシウム・マグネシウム

卵の殻を基本に用い、土壌のPHを荒らさないため、硫酸カルシウムを用います。

蛎殻などもミネラルが入って良いのですが、海の由来物は、焼成しないと

分解しません、貝塚って、貝のからの化石が残ってるくらいですから

なめてみて下さい、結構塩辛いですよ・・・なので、僕は用いません

液体の有機カルシウムも、即効性の硝酸カルシウムも、夏場は用います  

 

マグネシウムは硫酸マグネシウムを用います。

消石灰、苦土石灰などは土が硬くなりPHが高くなるので用いません。

 

鶏糞、牛糞も基本的にカルシウムを含んでいます、これ要注意です

t単位で投入するため思ったより入ってしまいます、分析をしても

すぐに出てこないから気をつけて下さい

 

米ぬかも、微生物のエサとして投入しますけど、それ自体

窒素にリン酸、カルシウムを持っています

堆肥の発酵剤としても投入されますが

これも緩行性の肥料成分に変わるので、要注意です

 

糞尿には、塩基として他にナトリウムを含んでいます

塩化ナトリウムです、このナトリウム、これ自体は無害ですが

他の塩基に置き換わり、土のCECを埋めてしまったり

溶け出してECを上げたりするので、これも要注意です

 

 

微量要素

 

土壌の酸化還元作用、植物の体内での酸化還元作用には酵素が働いています

この酵素を動かすのは微量要素です

これが無いと土壌においては、アンモニアの速やかな硝酸化成

植物の体内でのアンモニア、タンパク質合成が行われない

微量ですが、大変重要な成分です

 

しかし大量にあると、害を出します

 

堆肥などで、草木由来の堆肥なら本来植物体内に持つ微量要素が投入されます

あるいは、海藻などのミネラル豊富な植物を発酵させた物も良いです

化成の微量要素肥料も、即効性の点で、有効です

 

僕の場合、特に成分をはかりはしませんが、植物を見ながら

三者をバランスを取って、投入しています

 

 

 

土について 私の考え

土は生きている、その理由

土をただの砂と見るか? それとも総合的に生き物と見るか?

生産者と話をするとき、どちらで見ているのかで話の内容がずいぶん変わってしまいます。

理論のリングが違うので、当然考え方も違います。

僕は、生き物として土を見ています。

土壌とそこで活動する微生物の動きを考慮して土作りを行う事にしています。

僕を指導してくれる先生の考え方の影響でもあるし、自然栽培の書籍等で勉強もした結果です。

農家としては数値ばかりではなく、直感的に捉える部分としての、理屈です。

まだまだ勉強途中ですが、実践的に身につけたいと思っています。

土に食べさせる、という感覚

有機肥料は基本的に分解されないと作物が利用できません、分解され無機の状態で吸収されて

植物体内でまた蛋白質まで還元されます。

分解するのは土、土に住んでいる微生物、トマトの根と共生し養分の交換もしている、一つの

生態系を作っています。 ここに過剰の未分解有機物があったら、生態系に狂いが生じる、

僕はその考えを採用しています。

特に栽培教科書があるわけではありません、幾多の話から結びつけただけです。

土作りについて

 土作りが栽培技術の重要項目の一つであることに違いはありません。

製造業にとって工場が生産設備なら農家にとって土も生産設備の一つになります、かなり重要です。

設備投資、これを農家に当てはめるなら、土こそ設備、土こそ資産と言えるのでは無いでしょうか?

生産設備にどのくらい投資出来るか?、ここら辺の考え方は企業的に考えるとかなり必要な投資だと

思います。  土作りと言うと泥臭いですが設備投資と言うと、重要性がわかると思います。

就農当時まだ良くわからない頃に、進められるままに購入堆肥を投入し、同時に籾殻やこの地方特産の

寒天の絞りかすや、草木、鶏糞、牛糞などを使い、自分で作りもしました。
結果は惨憺たる物でした、僕のハウスは峠の集落にあり台風の時には強い風が吹くので、

強化型のハウスにして屋根のポリフィルムも固定して年中張りっぱなしの構造です、

つまり寒い冬に雨に当てない、そして夏場にはトマトがある。

この状態で畜産糞尿を十分に含む堆肥を投入すると、土や作物にとってはマイナスに働く事がわかりました。

仮に雨に当てても被害が先送りになるだけで、土に良くは無いと僕は考えています、

詳しくは別記しますが、今はいろいろ勉強し、土作りには畜産堆肥を用いません。

自家製堆肥も何年も置いて試験をしてますが、今のところまだ使いません。

この当たり前に投入する畜産堆肥こそが作物の病気の原因の一つだと考えています。

普及員に相談しても、否定はしませんがまだ良くわかっていない分野だそうです、

ここの技術を開発することが病気を減らし、農薬を減らし、おいしいトマトを作る上で重要だと思っています。 

毎年籾殻等で堆肥を作り、順番に5年ほど放置して様子を見ています

最初は茶色の籾殻の山が、年々量を減らしながら、

真っ黒の粉末状に変化しているのがわかります

それぞれ 5年目 放置状態 撹拌後 籾殻、草木チップ、寒天糟、鶏糞

     4年目 放置状態 撹拌後 籾殻 草木チップ、寒天糟、鶏糞、トマト柄

     3年目 放置状態 撹拌後 籾殻 寒天糟、鶏糞少量、トマトの柄焼却灰、バーク

     7年め 放置状態     籾殻 大量寒天糟、鶏糞、米ぬか、草木チップ 

 

年目は寒天糟を大量に使用しましたが、分析の結果

亜鉛が2000PPM オーバーだったので、廃棄にして積んであります

草はよく生えています

 

全体的に籾殻の形は無く、土のようになり、撹拌後の色は、古い物ほど黒いです

24年11月、最初に作った堆肥を、耕作放棄地に廃棄処分する

5年目、4年目の堆肥を一つの山にしてしまう

3年目には、再度、トマトの廃棄枝を混ぜ

      上の山の刈草やタケチップを混入して積んでおく

 新規の堆肥を試作するのは、来年以降にします

現況堆肥の成分を調べ、特にアンモニアが無ければ

少量ずつ投入して、消費しようかと考えています

24年11月の様子
24年11月の様子

完熟堆肥ってなんでしょうね? 

 

完熟堆肥だから土に何トン入れても大丈夫、土壌団粒もできて土もふかふか。

うたい文句は良いですよ、実際に、買ってきた完熟堆肥とうたう、畜産系堆肥と

自分で作った籾殻堆肥を長期間外に放置し、定期的に天地返しをしながら様子を見てますが、

低温でゆっくり腐熟し分解し、成分を放出しながら、だんだん土に帰って行くのがわかります。

土作りと言うよりは、元肥のような物もあります。

毎年、何トンも入れたらどうなることやら。

 

完熟と言う表現は、一次発酵が終わっただけの物のようです、

まだまだ二次発酵をしながらゆっくり分解していくみたいです。

作物にもよりますが、経験からトマトにはやめといた方が良いと僕は思っています。

畜産堆肥以外にもバーク堆肥等もありますが、いろいろ調べていくうちに判って来たのは、

本当に分解した物でないと何年も投入し続けるのは土にストレスになると言うことです。

木質のリグニンの分解は高温にするか、自然に分解させると時間がかかります。

分解点まで炭素率を下げるために必要な窒素は木質の10%以上必要で、本当に

それほど混ぜて分解させたなら、堆肥に大量の窒素を持たせることになります。

売ってる会社は良いことしか言わない・・・そしてリスクを負うのは農家。

農家は情報を集め勉強しなくてはいけない、そう考えます

 

良質なバーク堆肥、植物は基本的に他の植物に寄生されないために、腐らないように

発芽や最近の増殖を抑える機能を持っています、ごく微量でも、堆肥の形で

投入すると、分解しないリグニンとともに蓄積する場合があります

自然界に無い状態を、繰り返し行うのは、危険があります

 

 

何を土壌改良に使用するか、これは土に必要な物は何か?このあたりから考えないといけません。

ここがノウハウになってきます、僕もいろんな所から、ある先生にあたり、今はそこの考え方を

導入し実践しています。 これだって正解かどうかはまだ判りません、とにかく常に情報収集と

勉強をし続け、最善の方法を見つけて行くだけです。  

未分解物、腐熟していない物、畜産糞尿は入れないと言うのが今の考えです

 

一つの考えに、腐食粘土鉱物混合体と言うのがあります。これはドイツ人の書いた土は生きている

と言う本に出てくる言葉で、該当する商品があるわけではありません。

 

最近気がついたのは、いわゆる堆肥だけで土作りをしている人の畑の土は、

何年も経過すると少しずつ茶色っぽくなっていることです。

 

最初の田んぼの時は黒かった土が茶色になってきます

人によっては、有機物が増えて良い土になっていると言います

確かに山の土は表面は茶色っぽいです、しかし下の方にいけば黒いです

僕が年々も放置した籾殻堆肥も、最初は茶色ですが4年目には黒くなります

本当に良い土は黒では無いでしょうか、自然界で黒と言ったら炭です

古くなって腐熟し低温でも炭化が進めば黒くなるのでは無いでしょうか

全体が赤茶けているのは未分解有機物が多いからでは無いのか?

最近の気がついた点です、と言って炭や燻炭を多量に土に混ぜれば

土壌のPHがアルカリ性になってしまいます、

やはり低温で腐熟した腐食類やCECの高い粘土鉱物を少量ずつ加えながら

土を作っていくのが安定した土を作るのには必要では無いだろうかと考えるようになりました。

土壌分析をする意味とは、何でしょうか

土壌分析について

上矢作トマト技術研究会を作り土壌分析器 土博士1号を導入しました。

東美農農協のトマト出荷協議会では岐阜クリーン農業の登録のために団体で年1回は必ず

県の試験機関で土壌分析を行います。その結果を基に普及員、農協、農家の三者で

施肥の検討を行っています。  

僕自身は、団体のために、土の採取時期が11月とまだトマトが植わっている状態での採取となるのと

100トン以上の土の分析をわずか10グラムにも満たない量のサンプルで次年度の施肥を検討する

そのことに、経験を積むほど疑問に思えてきました。 実際土壌分析と言うのはその時土壌にある

成分では無く、抽出液に溶け出してくる養分しかわからない。しかも

有機物や土の微生物活性については、土壌分析ではわからないのです。

その時の地温の状況によっても、微生物の活動が変化するため、溶け出す成分も変化する。

年中 自分の畑と向き合っている農家が、年一回の分析で、普及員に指導を受ける?

就農当時は当たり前に思ったことが、5年を経て、自分で勉強することにより疑問に変わりました。

施肥設計は自分で行う、分析に出ない分を含め、僕の土は僕が一番理解していなくてはいけない!

そう決心して、団体分析とは別に、秋、春、夏と年3回、土壌分析し気温の変動による変化もつかみ

入れた資材の影響を検討して、土の色、におい等からも微生物の活性力も推察出来るような技術の

習得を目指す事にしました。

分析器の導入については、農水省の生産環境対策事業の補助金受ける事が出来ました。

これも税金なので、この技術がトマトの生産性に寄与し、広く還元されるよう努力します。

快く同意してくれた上矢作トマト組合のメンバーにも感謝します。

必ず美味しいトマトを提供出来るように努力します。 

分析器土博士1号
分析器土博士1号

農水省の助成を受けて、組合で分析器を導入。 これでいつでも分析できる

年一回では不十分、やはり年間のデータの変化を見て、判断しないと

三者面談の様子
三者面談の様子

今の土壌分析に思うこと

 土壌分析の結果を基に三者面談、毎年の事なのですが、実際5年やってみて、真剣に勉強してきた僕としては

疑問だらけなんです。 産地としての基準値を作り、N・P・K・Ca・Mg・EC・PH・CECなどの標準値を作り、その中で

多い少ないから、必要な肥料を農協の一覧から必要量を計算して選ぶだけ。

本来土作りを突き詰めると、微生物活性、保肥力、保肥力CECに合わせた必要量などを計算し。 ここの農場に

合わせきめ細かな設定が必要であり、使用する肥料も成分だけでなくその特性を考慮して選択すべきだと思うの

です。 堆肥など成分出力のはっきりしない物は特に慎重さが求められるはずですし、土作りは多年度にわたる

計画が必要ですが、現状そこまでのサポートは出来ていません。 自分のハウスの土を一番長い期間管理し

一番よく知っているはずの農家が、本来主体的にやらなくてはいけないと思うのです。

農協・普及員は情報提供しながら、そのサポートをする位でないと、農家が技術を蓄積しないように思えます。

そのハウスで作るトマトの技術は長年栽培している農家が一番持っている、

農家が第一の技術者であるべきで、自分で考え、試行錯誤をしたら良いと思っています。 

僕の今の理想の土は、必要以上の余分な窒素が出ず、リン酸、塩基類、微量要素が良く供給され、

微生物の活動が旺盛で根張りが良く、土壌病害が出にくい土です。  

ここを目指して努力します。

 

設備投資どう考えますか?

農家は自営業です、それぞれ経営を考えなければいけません。

経営には売り上げよりも手元にいくら残るかが重要です、売り上げに対し経費は低い方が良いに

決まっています。  何を下げるか? 肥料、土改材などの消耗資材費、手数料などの販売経費、

ハウスなどの設備類の固定経費、機械費用など。  

もう一つ、同じ経費で売り上げ金額を上げて相対的に経費率を下げる考えもあります。

それは販売金額を上げる、あるいは単位面積あたり収量を上げる、規模を拡大する。

農家はよそから持ってきて売ることはしません、工業製品のように24時間体制で生産性を上げることも

出来ません。 自分の管理できる面積から得られる収穫物の販売で生計を立てねばなりません。

ここが農業の農業たるゆえんです。

規模拡大は儲かるか?

僕は栽培品目によると思います、少なくともトマトは神経質な作物です、手を掛けるかどうかですぐに反応が

でます。 僕は僕が今規模を拡大しても、人を雇わなくてはならなくなり経費は増えます。 

しかも目が行き届かなくなれば品質や収量にすぐ結果が出ます、大きくなると経営や販売に専念しなくては

ならなくなり、トマトが僕のトマトでは無く、普通のトマトの品質になり、収量も落ちてくる可能性があります。 

規模拡大に借金したら、経費も増えるし、収量が落ち込めば手元に残る金が増えるとは思えません。

金をかけない経営とは何だろう

金を掛けないようにしろ、僕が就農時に言われたことです。

その通りだと思います、最初の経費は安いにこしたことは無い。

ただしこの意見には生産性、回収率、リスク回避などの検討があってこそだと思います。

適正規模の適正投資とは何だろう

自分の経営の適正規模と、経営方針を決めないと、何に金を掛けて何をけちるのか決まらないと思います。

僕のハウスは山の上にあります、平時から台風時など大変に強い風が吹きます、なのでハウスを風の為に

強化しました。 リスク回避ですね、これも普通のハウスの2倍以上の初期投資が必要でした。

2倍と言っても、土建屋上がりで自己加工、自己施工が出来るからで、全部外注なら4倍はかかります。

これも個人の条件差の一つではあるので、誰でも当てはまりませんが、 しかし平成22年の秋、

風の強い台風でも、被害は少なくて済みました。  強風時でも心配しなくて済むのはストレスが減ります。

全自動灌水、ポリ巻き上げ装置、移動式の動憤、など作業の効率化をはかれる物には出来る限りの

投資をしています。 ロボット噴霧器は速度が遅く、といって現場を離れる訳にもいかない、時間短縮に

ならない場合は使いません。 体が楽であることは第一ですが、時間が短縮出来なければ採用しません。

マルチは張りません、これは経費の拡大になります。 草取り費用の方が3倍かかりますが、これは理想の

栽培をおこなうために、決めたことです。 マルチがない方がトマト栽培には良い、経費が増えるより収量を

あげる為に必要なら、その効果があると判断したからです。 この判断には熟慮しましたけど。

肥料代、土改材は少ない方が良いのか

ここが本当に判らない所で、土壌改良しないと5年目位から収量が減ったり、土壌病害が増えたりしますが、

はっきりとした相関関係が見えにくいからです。

土が工場と考えれば土改材は設備投資の一つと言えますが、費用対効果が見えにくいのです。

安い肥料で作れば、味が乗らなかったり、収量が減ったりする可能性もありますが、すぐに結果がでない。

他に天候等の要因もあり、はっきりしない面、肥料の検討は値段だけで考えがちです。

間違いないのは、安い肥料で、安い施設で、出来た物をただ出荷してれば一番低コストかもしれません。

トマト一つに愛情をこめ、誇りを持って送り出します。

たかがトマト、されどトマト。 自分が納得の行くトマトを作り、食べる人が笑顔になってほしい。

それが経営方針です。

自分で管理出来る範囲の面積で、最大収量と最高の味を追求し、花村トマト農園のトマトがまた食べたい!

そう言ってもらえるようなトマトを生産し、買いたたかれないような所と取引したい。

家族が養え、再投資が出来る金額の収入が得られる程度でいい、納得の経営が出来れば良い。

そのためには、どうしたら良いか? どの程度の肥料や土改材、設備が良いか?

常に検討し、常に悩んでいます。  常に決定し、常に変更しています。

農家は自営業、常に考え続けなければいけないと思います。

苗は買うのか、自分でやるのか?

最初は技術も無いので苗は全量買っていました、 しかし苗は種との差額が大きく、自己資本回収率が

高いのでコスト的には、自分で栽培した方が良いのです。 反面難しく、失敗したときの影響は大きく

リスキーでもあります。    ここが、考え方だと思います。

このリスクだけを減らせれば、回収率の高さがメリットになります。 

そこでどんな失敗があるのか見て回りました、そこで気がついたのは、育苗は設備産業であるということです。

安全な設備を導入すれば、かなりリスクが減らせるという事が見えてきました。

必要最低限の設備を作った場合と、中古機械と自己施工をふまえて、十分な設備を作った場合

その差は約2倍ほどでした、差額は苗代金の1年分にも満たなかったので、

出来る範囲で、安全な設備を導入することにしました。 

どの範囲で十分とするかは、もちろんそれぞれの考えで、僕の十分を過剰と考える人もいます。

誰にでも当てはまるやり方ではないけど

場所もあり、自己施工が出来、中古品を探すルートを持ち、自己資金があったからなので、

個人差はありますけども、中古品を探す努力をし、冬に休まないで自己施工し、

自分で施設の勉強をして、設計もおこなえるように努力した面もありますから。

設計、施工で建造する、そういう事が好きだったというのもあります。

僕でも外注してたら、自己資金が足りません。 自営業なんだから、どうやったら出来るのか、

どうすれば良いのか常に考えて、努力をするバイタリティと情熱も必要だと思っています。

人にアドバイスするなら

その人の性格、考え、資金力、等により適正な方法は違ってきます。 一概に金を掛けないでは無く、

経営、栽培の中心になる人物が、自分で判断出来るように、僕は自分の判断方法を話すだけです。

農家の技術に思うこと

 東美農農協夏秋トマト生産者組合に加入して共同出荷をし、岐阜クリーン農業の基準を適用している

団体の構成農家といえども、農家はやはりそれぞれ個人営業の自営業なのです。

農産物は世話をする人の思い、生き方が素直に反映される面があります。

工業製品の様にどの工場で作っても同じ製品が出来るわけではありません。

ここに農業の規模拡大、企業の農業参入について、簡単には上手く行かない理由があります。

どんな小さな農家でも、作っているのは完成品、決して部品では無いのです。

見かけは同じトマトでも、土、水、思い、でその品質、味は違ってきます。

産地の品質はそのブレの幅を、共同選果場を運営し技術研修会などを行う事で小さくしています。

産地としての基準に納めて、ブランドを確立しているわけです。

就農についても、販売先、技術支援、資金の確保など、すでに用意されているので

新規就農者にとってはありがたいのです。これも先に始めた先駆者の農家が歴史を

作ってくれたおかげであり、新規就農者としては大変ありがたいものです

でも、やはりそれぞれが自営業であることに変わりはありません。サラリーマンと違い

収入的には何の保証も無く、工業製品の様に同じトマトが作れるわけでもありません。

言われたように慣行栽培でトマトを作り、農協に出荷して、お金がもらえればいい人、

その中でも、研究し農薬を減らし、美味しくし、収量も上げたい人、また自分のトマトを美味しいと言って

もらいたい人。  

みんな意識も考えもバラバラです、これをまとめて一つの産地で出しています。

それぞれの考えがまとまるとは思えません、出てくるトマトを一定の品質でまとめ出荷するだけです。

しかしやはり仲間なのです、先進的にやっている人を応援し、全体の技術を引き上げ、産地みんなで

向上していくのが良いと思っています。  農家が産地の中心なんです、  

何でこんな事を言うのかと言うと、 

僕が先進技術を勉強して行く中で、みんなと違う事をするなら、組合から出て行け!

と言われたからです。  

良い技術があっても、農協体制の中では取り入れられないのです、

今の状態は、普及所、農協からの技術の下げ渡しが中心になっているように見えます。

30年トマトを作っている様な古参農家でも、技術の中心になって、引っ張って行くような状況にはなって

いないのです。 研修会でも、試験場の技官や普及員にあまり指摘も注文もすることも無く、

若手に熱く栽培を語ることもあまり無く、普通にやっています。

出来ることなら、名人と言われるような、古参農家が  

産地を引っ張るような、先進農家を育て、全体に協力させる様な方向に持って行けたら、

もっと良くなる、僕はそう考えています。 そして自分も先進していく努力を怠らないようにしています。 

農家は馬鹿にされてるのかな?

農協に出荷する農家でも、直売に出す農家でも、生産履歴を必ずつける必要があります。

この生産履歴を各販売店に毎月提出する義務もあります。

生産履歴には肥料、農薬、種などと、使用日時があります。

本当に細かく生産履歴を記録し提出すれば、それはそのままノウハウの露呈と言うことになります。

もちろん、問題が無ければ一般公開される事はありませんが。

就農当時、使った物は全部書き出せと言われましたが、それはこちらでお前の所の安全をチェックする。

と言うことだと思いました、農協や販売店が履歴をみて安全をチェックする。 

農家もプロなら当然自分の出荷物に安全を担保出来ないような農家なら、農家をやめなければならない。

中には、素人みたいに危ない人もいるのは確かなんですが、大方の農家はきちんと自己管理が

出来ているはず。  生産履歴が製品に付いているのは、工業製品では見たこと無い。

履歴は個人保管しても、提出するのは何か問題が起きてからでも良いように思えます。 

何も問題をおこさないように努力しているのですから。

普通の購買者が農薬の使用履歴をみたらその使用量の多さに正直びっくりすると思います。

プロ農家である以上、自分の生産物の安全性に十分気をつけたいと思いますし、信頼を損なう様な

問題は絶対起こしてはいけないと考えています。