トマトの生育10、確信しました、土壌から来る過剰窒素

桃太郎、成長点
桃太郎、成長点

今日は専門的なブログです

普通のお客様は、興味のわかない話です、ごめんなさい 。

わかりにくいですか?

桃太郎の成長点付近です、写真ではわかりにくいですが

あきらかに窒素過剰です

 

液肥の追肥量、元肥の量から計算しても出てこない窒素です

10日ほど前までは、ほどよい感じだったのに、この10日ほどで

おかしくなりました・・・・気温の上昇とともに現れる、ゴースト窒素です

 

発生源は初年度、2年目に投入した籾殻鶏糞堆肥

町内のある会社が、長野県のバ○オファー○社の指導を受け製造している物です

このハウスは5年目です、最初の2年で合計、反当たり約5t投入し

3年目から無投入、今年の冬はハウスに貯め水、代掻きをしています

なのに、暖かくなると発生します。

計算外の数値も、カルシウム、リン酸値はマックスでもう出ています

そこから推測する窒素量は、分析ではっきり出たのは3年目だけ

後はまっすぐ出ない、気温の上昇とともに、じわじわとわき出します・・・・

なぜか窒素の数値だけ隠れてしまう・・・・

 

バ○オ社も、普及員もあり得ないと言います、僕が何か隠していると・・・・

僕も理由が分からず、3年間も悩まされて来たのです

 

でもここまで来て、まだ発生します、結果として、出るのです

この、栽培状況から、投入した肥料の数値を引いてみて

畜産糞尿由来の堆肥には、窒素が隠れている、そう結論付けします

バ社が何を言おうとも、その堆肥の公称数値が嘘ついている

現に、この堆肥、県の分析に出して、データーを公開していない

嘘をついているのはあんた達?じゃないの、俺はデータを蓄積しているから

いつでも、証明してみせるからね!

桃太郎、成長点2
桃太郎、成長点2

写真ではわかりにくい、全体の雰囲気で

農家なら、あれ・・・・なんか様子が変だな?

て思います。

桃太郎、成長点3
桃太郎、成長点3

分かります?頭の葉っぱ

雰囲気がおかしいの・・・・

桃太郎、成長点4
桃太郎、成長点4

枝の伸び具合、角度、葉の縮れ具合

葉色、つや・・・・後は全体的な樹の持つオーラ

桃太郎、成長点5
桃太郎、成長点5

この感じです

桃太郎、病斑1
桃太郎、病斑1

それと同時に現れた病斑

これは褐色輪紋病です

これがひどくなると、葉が黄変し、枝も黄変し、葉が落ちます

うまく止めないと一週間で枝葉が落ちます

樹が死ぬことは無く、枝葉と花が落ちるだけで、幹は斑点だけで

成長点が死ぬことはありませんでした

発生した段は、枝が落ち、花が落ち、収穫が出来ません

桃太郎、病斑2
桃太郎、病斑2

この3年この褐色輪紋に苦しめられました

発生理由が分からず、ネットで調べた強力な薬

ゲッター水和剤、ダイマジン水和剤、ジャストミート水和剤

いずれも化学農薬成分2カウントの強力な薬です

あるいはその1成分の

セイビアー20、トップジンM、ベルクート水和剤などの薬剤

散布でいったんは止まりますが、すぐに動き出します

 

上記の薬剤は褐色輪紋に登録が無く、灰色カビ防除の

目的で使わないと、農薬法違反になるので、注意

農家にとっては、使えて、効けば良いのですけどね・・・・

 

東美濃農協のトマトは岐阜クリーン農業の登録上、定植後の農薬は

化学成分で18回までしか使用できないので

注意して計画敵に使用しないと回数を超えてしまうから

病気を出さない管理がやはり大切です

 

僕はとどのつまり、土壌から来る、アンモニア窒素過剰

それか、硝化された硝酸過剰

あるいは、土壌から放出されたアンモニアガス、亜硝酸ガス?

これが原因だと見ています

当産地でも、世間話程度で、正確なデータを取ったわけではありませんが

トラックで堆肥を投入したような人ほど、これにやられているようです

 

普及員は、因果関係は分からないので、適当な事言わないように!

こう注意し、認めませんけどね・・・・

 

まあ、五分五分の確率で、個人的な意見なので、聞き流してください。

桃太郎、病斑3
桃太郎、病斑3

この段、花も玉もおかしくなりました

玉にも灰色カビが急に増え、落ちたりしました

 

ちょうど定植頃の花芽なので

3日にわたる極低温、霜そして雹

その影響もあるかもしれません、何せ桃太郎は不調です

 

ただ、昨年までと違うのは、1.2段目の玉は普通に伸びています

これは、貯め水、代掻きの効果だと思います

定植後の初期窒素はこれで下がったと思います

ただ、気温の上昇とともに、まだ発生してくる・・・・

貯め水だけでは抜けない成分があると言うことです。

桃太郎サニーについては

今年は、予想していたので、まだこの程度で済んでいます

消毒はもちろんしています

ポリオキシンALとベルクート水和剤です

それと、とにかく窒素の消化資材、これの大量投入

 

今の所、ぎりぎり持ちこたえています・・・・まだ5段開花

ここで負けるわけにはいきません、3.4段は半分程度になりましたが

5段以降で少しでも取り返したいと思い、今必死で対応しています。

 

あとレイカはレイカにつきやすい芋虫がいて、頭を食われるので

まだ姿は見えませんが、予防に遅効性の殺虫剤、マッチ乳剤を使用しました 

 

ここまでで、化学成分は3回です、使用可能な数量は後15回です

 

これが多いか少ないか?・・・・これは産地によりけりですね

レイカ、成長点1
レイカ、成長点1

レイカの様子

この樹は特に問題なく、花も落ちていません

ただ、レイカには1段目が玉伸びせず、2段目に追い越された樹が

ちらほら見えます、これはまた来年の課題です

レイカ、成長点2
レイカ、成長点2

桃太郎サニーと同じ条件でもレイカには影響が少ないです

病斑もありますが、わずかです

花落ちもありません

 

近くの営農組合がトマトを作っていますが

ここは過剰な牛糞堆肥で土作りをしています

土だか牛糞だか分からない位、投入しています

結果、桃太郎は壊滅的状態に至りました、ここは堆肥の分解による脱窒で

酸素と窒素を奪われ、よれよれです

こんな中でも、中玉トマトは何とか正常に近い状態を保っています

品種によってこれほどの違いがでるのか?って言うくらい違います

 

レイカは中玉の遺伝子が入っているので、過剰窒素など土壌の状態に

鈍感なのかもしれません、ただし、樹勢が強いと、中玉の様に

玉が伸びなくなる傾向が強いのか、うちでも強樹勢の樹は玉が小さいです

レイカ、成長点3
レイカ、成長点3

桃太郎の窒素過剰と同じ時期に

過剰窒素に反応したのか、強樹勢になったレイカ

レイカは、強樹勢で過繁茂になってきただけで

花落ちはほとんど見えません、これはありがたい!

褐色輪紋などの病斑も、わずかで、広がる気配は無い

しかし玉伸びは、悪い、でも玉があるだけありがたい

桃太郎は花が無くなっちゃうからどうにもならない

玉無しでは、稼ぎにならない。

レイカ、全景
レイカ、全景

桃太郎は花芽定植しても影響が無かったけど

レイカの花芽定植した物は、結果として1段目が伸びなかったり

強樹勢になった物が多かったです

レイカの開花定植のものは1段目は正常ですが

玉が重いのか、初期の立ち上がりが悪く、いつまでも伸びが遅かったです

しかし、ここに来て、追いついてきました、まだ1段目は小さいですが

一応、順番に伸びています

それと、強樹勢にならず、ほどよい感じです

窒素過剰などの症状も出ず、むしろ、痩せているくらいです

 

桃太郎は、花芽定植の方が、立ち上がりも良く

玉伸びにも影響があるように見えませんでした

しかし、肥えてしまった土には

レイカは花芽定植より、開花定植の方が向いているのかな・・・・

桃太郎サニーは花芽定植でも十分いける・・・・

 

気温の影響もあるので、一概には言えませんが

毎年変わる状況の中、農家は的確にその状況を読まないといけません

 

普及員は、きちんと作り分けてデーターを取りましょう!とか言いますが

生活をかけて栽培しているので、そんなデータを取って細かく比較してる

余裕があったら、トマトの手入れをします

データを比較して、結論づける頃には、たぶん人生が終わってしまう・・・・

そういうために農業試験所や普及員がいるのでは無いですか?

 

まあ、栽培のデータは記録はしてるので

それをまとめながら直感的に推察はしています

で、その推察を普及員に話すと、そおおですか~

そんな知見は聞いたこと無いです・・・・とか言います

だから今言ってんじゃんよ~っていつも思います

要は、あなたたちの予測に入っていないだけでしょう?

出来る事なら・・・・いつも農家に上から伝えるだけで無く

農家の話を聞いて、大まかな傾向を、推察してほしいな

 

まあ良いんです、僕も、きちんとデータを取って

学会に発表するわけでは無いのです

自分の栽培に生かせればそれで良いのです

 

だから、農家同士で、直感的に感じたことを話し合うだけでも

十分、参考になります

僕が言っていることも、直感的な話なので、違うと思ったら

どんどん、突っ込んでください、

それで直感的理論の精度が上がれば

自分の栽培に生かせられたら、それで良いのです。

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コメント: 2
  • #1

    小川 幸太郎 (火曜日, 27 6月 2017 10:18)

    私は専業農家ではありませんが 、近くの専業の方から聞いたのですが 籾殻を畑に投入すると籾殻が窒素分を吸収してしまい、初年度は野菜が窒素不足になって野菜が不作になると、聞きました。 ただこの籾殻に吸収した窒素分は籾殻が分解するに伴ってじわじわ何年かの間効いてくるのだろうと私は考えますが

  • #2

    tosio (金曜日, 23 3月 2018 08:59)

    ゴースト窒素=有機体窒素=土壌分析では出てこない窒素!!は恐ろしいですね。

     当園は有機溶液土耕栽培です。 土壌改良剤として馬糞もみ殻堆肥(公称窒素0.2%)+有機液肥を基本に栽培しています。 高畝にしていても大雨が降ると地下から上がってくる毛管上昇水が表層に塩類を運んできます。
     硝酸態窒素とカリ濃度は堀場のイオンメーター+水トールで監視していますがやはり時々窒素が暴走します。
    (〇の中はイとムです。)