トマトの栽培18、蒸し込み・・・・手短にブログ

最低4度~最高39度
最低4度~最高39度

10月20日を過ぎて、今年もハウスの蒸し込みを始めました

ハウスのポリフィルムは、朝は午前10頃までと夕方は午後3時から下ろしたままです

 

ポリの裾は固定していないので、風が吹けばポリがふわーっと膨らみます

ヘタに固定すると、強い風で破られるからです

なので、強い風が吹くと、自然にめくれ、ふわふわしてます

 

それでも、ハウスの谷間も、雨水の排水用の小穴を開けた

フィルムで覆い、空気の動きを遮ってやると

晴天で、日中は気温40度、湿度80%位まで上がります

上がりすぎると良くないので、ポリの裾をあげて、風を入れると

外気が20度前後、湿度は20%以下なのに

気温約35度前後と湿度は40%程度で、推移しますから

ポリフィルム1枚でずいぶんと変わります

 

 

気温5度で湿度80%超
気温5度で湿度80%超

夜間は完全に閉めても、暖房は無いので、朝には外気と同じ温度になります

温度の下がり具合を遅くする程度しか効果はありません

夜間のハウスは、解放していても、湿度は90%近いので

開けても閉めても、変わりません

 

ハウス下部にはポリの隙間も多いですけど、あまり問題になりません

日中はハウス内の温度を上げ、トマトの玉を日にさらし、乾かし

玉の温度を上げていきます、夜は緩やかに、玉の温度を下げます

 

実際どうでしょうか?

これだけの温度差を玉に与えると、だめになる玉も多いです

日差しによる黄化玉、軟化玉、そして裂果

収穫量の3割になるときもありますが

それでも、この時期にも、玉は目に見えて伸びますし

色も良くつき、熟す日にちも、早くなります

 

低温で、エスレルかけても、収穫量が少なければ同じ事です

 

常時、直射日光にさらされると、黄化してきますけど

黄化を防ぐには、頭に、玉を少し隠す程度の葉が必要です

しかし、軟化は、どうも別のような気がします

裂果も、日差しだけではないように、見えます

 

直射が当たっていても、きれいに収穫出来る玉もあります

日陰でも、裂果は裂果になります

 

ハウスにより、品種により差が出ます

ハウスによる差は、結局、窒素やミネラルがどのくらい、玉に効いてるのか

簡単に言うと、そういう感じです、詳しくはまだ、自分でも調査中です

 

品種によれば、温度差がひどければレイカでも裂果は出ます

桃太郎は、もっとも出やすく、日陰でも、かわりは無いような感じですけど

やはり、バランス良く生育しているハウスは、裂果は少ないように見受けられます

試験所の様に、毎日、玉数を数えて比較する暇はないので、印象ですから

正確な話ではありませんけど・・・・

 

軟化玉は、温度の影響も大きいようで、黄化玉とセットで出やすい気がしますが・・・・

何か別の要因もあるようで、ほとんど出ないハウスと

沢山でるハウスと、蒸し込み初期には、はっきり差が出ました

 

蒸し込んで、温度差が大きいと、表面だけでは、すぐに分からない、玉の持つ品質差が

出やすいのでは無いでしょうか?

ハウスごとに発生がばらつき、正直、一定の法則が見いだせていません

 

軟化玉は

何故か、夏場は桃太郎の方が軟化しやすいですけど

いままで、桃太郎を主力にしてた頃、それほど軟化には悩まされませんでしたし

裂果も、初年度、2年目には、それほど発生してませんでした

レイカを主力にした今年、蒸し込みを始めたら

レイカに軟化が、急激に増え

桃太郎は普段とあまり変わりないので、これは夏と逆の現象なので

理由や、発生条件も、はっきり、絞れなくて

なので、今は、発生度合いをチェックして、一定の傾向を見てる状態です

 

それでも、この状態で、玉がまだ伸びているところを見ると

温度を上げずに、エスレルを使用するよりは

後半の収量確保には良い方法かと思います

エスレル使うと、温度を上げられませんから、樹の動きは遅くなります

 

まだまだ、ポリフィルムの張り方、固定の方法など

改良点だらけですけど

低コストで手間もわずかなので、当分はこの方法を改良していこうと思います

 

構造的に完全密閉ハウスの方が、完璧ですけど

夏場の気温対策用に、高天井にし

妻面は完全に解放

サイドも高い位置で解放してますし

台風時は、ハウスの中を風を通して、ハウスの倒壊を防ぐ

考え方の産地なので、ハウスの設置構造が

完全密閉を想定していないのです

 

妻面に扉を取り付け、サイドビニールを全棟に取り付けるのは・・・・

実際、開け閉めが必要な期間は、1年でわずか2週間程度

後は、締め切りで大丈夫なので

 

常設で、取り付けるのは、コストもかかるし、維持費もかかるので

古いポリフィルムを用い、短期間で、貼り付けをし

突風でちぎられても、すぐに交換できる今の形態で

しばらく様子を見続けようと思います

 

僕のハウスは施設の4割は、妻面が解放なだけで

サイドビニールは取り付けてあるし

どのハウスも構造的には、風圧に耐える、強固な物ですから

改良するのもむつかしくは無いですけども

妻面を頑丈に固定し、扉を付けるのは・・・・

コストがかかるし、作業のじゃま・・・・そう感じています

 

視察などで思うこと

 

産地には産地が長年培ってきた栽培パターンがあります

それは、その産地にあった形で進化してきています

確かに、固定観念に縛られる事もあるでしょう

ガラパゴスの様な事もあるでしょうが

しかし 、その先人達が作って来た栽培パターンには理由があるはず

そこの所を無視はできません

 

たとえば

以前、津具村のYさんが、トマト1本に支柱1本は無駄だ

と言ったことがありました、それは、津具はワイヤーと支柱で

ネット状にし、トマトを斜め誘引すると言う物です、この方が

手間がかからない、そう言いました

しかし

ここは、雨よけハウスから進化した地域です

台風が来たら、ハウスのビニールを飛ばして、骨組みを守り

トマトを雨風にさらします、そうして、台風が行ったら、すぐにビニールを

張り直します、トマトは支柱に支えられているので、雨風を受けても、倒れません

津具はハウスを閉め切ります、もしビニールがはがされたら

ワイヤーでつるされたトマトは、風で大きく揺さぶられます

だから、天井も低く、強固なハウスで、常時、完全締め切りができる

ハウスです、初期投資も倍近い金額です

いきなり、支柱だけを止めたら、台風の時に、ひどい目に遭います

ハウスもそれに合わせて、構造を変えないといけません 

 

地域の歴史と、栽培パターンにはそれぞれの流れがあります

そこを踏まえて、相手の栽培方法を見ないと、せっかくの

アドバイスも、生きてきません

 

僕は視察に行きますけど

実際、そのまま、栽培技術を取り入れることはありません

たとえば、飛騨の3町歩のトマト栽培と、僕らでは

栽培のねらいも、期間も資材もかなり違う

そのままは、持って来られませんし、まねは出来ません

じゃあ、参考にならないのか?

 

僕自身の考えは 

それは、受け取る側の問題だと考えています

相手が見せてくれた圃場、開示してくれた考え方

話す中で分かってくる人柄など

そこから、いろんな情報を見いだし、受け取ります

そして、自分の経営に生かしていきます

 

自分の必要な情報を、結果でぽんっと、あるいはレポートでぽんっと

得られるのか? そういう風に考える人の方が多いのでしょうか

 

視察見学に行って

何が得られるかは、見る方の力です

例えば、三人が行けば三人とも違う事を受け取ります

僕が視察に石川トマト農園などを誘うのは

帰りの車中で、見学した印象を、皆で話し合って

別の見方をしていたり、感じたことも、気づいたことも

自分の情報として、重ねて、得るためです

 

こちらの目が耳が、節穴なら、どんな技術を見ても、何も得られない

こちらが、見いだす、力があったら、うまくいってない、失敗だらけの

圃場からでも、貴重な情報を見いだす事が出来る・・・・

 

情報の収集は

出し手、提供者の問題では無く

受け取る、見る方の問題、そう考えています

 

逆に、僕は、相手に、何か意見をするときも、ああしろ、こうしろって

方法を固定して言いません

極力、考えられる、状況を想定して

いろいろ言います、一つの項目に対し、何個も、想定を提供します

なので、わかりにくいという人もいますが、こっちも

相手の状況を完全に分かるわけではありません

なので、想定状況を出すにとどめます

 

僕の話から、相手が必要としてることを

見いだしてくれれば良いと、考えています

 

僕のブログをわかりにくい

字が多いので、読めないから、もっと絞って字数を減らしてほしい

とか言う人もいますけど

これは、相手に取って、何が必要かは分からないので

読む人によって、ほしい情報は違うだろうから

いろんな事を織り交ぜて、発信しています

 

このブログは、僕の考え方そのものです

売るための出版物とも違う

視察で、花村トマト農園を見学し、僕の話を聞いたと思ってください

 

これが僕の個性です、そこから何か

見いだしてくださって、お約に立てたら

感謝です・・・・