最終便を出荷
これで、農協の協同出荷は終わりです
すでに、気温は何度も氷点下・・・・
10月後半から11月の天気は
今年は日中の日射はあるけど、全体に空気の冷たい気候でした
なので
締め切ったハウスの気温は、朝晩は外気と同じまで下がり
日中は、日射のおかげで、30℃超になります
この温度差が今年は大きすぎて
玉の軟化、裂果が多く、ロス率が高い年でした
市場出荷は終わっても、ハウスにはトマトがまだ1段以上残っています
例年、桃太郎の場合、もっと早く赤らむので
ここまで残りませんでした
今年は、例年の3倍以上の玉が残りました
この玉から、ある程度状態が良くて、食べても
まあ、10月前半ほどの味は無いけど、食べられるものを
格安で、加工用と名打って、売ります
味が基準値以下なら売らない、そういう、考え方もありますけど
そこは、商売、ブランドシールは貼らないで、売ってしまいます
11月、気温が氷点下近くになると、てきめんに味が抜ける
寒さに耐えるため、糖分はあるので、甘みは残っているけど
皮は厚くなるし、何故かコクとかが抜けてしまいます
その理由は、解析してませんけど・・・・
玉も、赤くて、樹から落ちる寸前になります
それでも、順次片付けていきます
青いままの玉はどうする?
置いとけば、色んで来ますけど
さすがに、美味しくない・・・・
だから、廃棄します
最終玉、味が落ちますけど、せめて樹上で
熟したトマトだけを売ります
片付け中のハウスの様子
赤い玉、青い玉、両方残ってます
赤い玉でも、売れる様な状態の玉は2割くらいで
後は、軟化、凍みつぶれ、カビ、で食べられる様な状態で無く
当然廃棄です
廃棄玉は、堆肥場に持っていき、三年積んだ古堆肥に混ぜてしまいます
持って行って、廃棄するのも、力仕事
山のように積みます
赤い玉、カラスがほじりに来ますが、ほっときます・・・
他に、ハクビシンとかかじりに来ますけど
適宜、重機で混ぜ込んでしまいます
トマトの片付けの合間に
育苗施設の施工も行います
昨年埋め戻し
今年の春、ハウスの骨組みを組
井戸を掘って支度したままの土地に
採石を敷いて、コンテナハウスを設置し
ブロックを置いて、作業小屋を据え付けます
コンテナは買った物、作業小屋は土建屋時代の現場小屋
コンテナは、接ぎ木苗の養生室にします
これでも、既成の物を購入すると百万では効かない
必要な設備さえ分かっていれば、コンテナに内装を自作して
二十万程度でも、ある程度の物は作れる
これも、こういうことをしている仲間がいるので、そのノウハウを
教えてもらうことが出来るから、むつかしくは無い
現場小屋は、今まで、遊んでいたけど、やっとここで使うことが出来た
これは、土壌分析の道具を置いて、土壌分析室にしようと考えています
ハウスの増築、選果場、倉庫、育苗施設
構想だけは新規就農のころからあったけど
ここまで来るのに6年かかった
急ぐには、業者に頼んで、外注すれば
2年でも出来るけど、その代わり
施工費だけでも1000万くらいは余分に必要だったと思えます
農業は、回収率がそう高くは無いので
新規に過剰投資をしても、自費なら良いけど
金を借りると、返済で苦しむ羽目になる
それにノウハウが無いと、施設も業者の言いなりになり
後で、作り直すことも珍しく無い
なので、ある程度経験を積んで、作業や技術を確立してから、築造しないと
後悔することもあります
僕も、最初のハウスと、最後のハウスでは構造が違い
最初のハウスに大改造をしています
育苗ハウスも、構想は何度も練り直しています
重機に、ユニック
土建屋時代の機械をまだ持っています
ユニックでも20年選手、毎日使うには古すぎますけど
たまに使うには、大丈夫・・・
なんとか維持しています
もともと、土建屋、築造はお手の物
こっちの方がまだ経験が長い
人に頼むより、自分でちょいちょいっと、やった方が
確実で、丁寧で、納得がいきますね
築造意外にも
採草地の草刈り
竹藪の片付け
他に今年は、川向こうの田んぼに行く橋を直す
と言うのもあって
雪が降らないうちに済ましときたい仕事は
10月の暖かいうちに、先に片付けました
下の写真は、チッパーシュレッダーという物です
かなり小型ですけど、10cmまで飲み込んで粉砕できます
値段は定価で95万円・・・実売はかなり下がります・・・
僕は、竹藪の整理のために買いました
竹は結構、処分が大変です
燃やすのも大変、積んでも腐らないから片付かない
これなら、枝を払う必要も無く、そのまま放り込んで粉砕できます
一時間で何十本も処理できます、便利です
しかし、直接金を稼がない機械なので
余裕が無いと買えません、この竹チップも堆肥の原料にしますけど
商売にしてないので、稼ぎになりません
また、商売で竹藪を処分するなら、もっと大型の機械が必要になります
なので、竹が処理できる一番小さい機械で、これにしました
家の周りの竹藪が広がり過ぎたので、必要と考えて購入に踏み切りました
他にも、原野になった耕作放棄地の管理に、ハンマーナイフモアが欲しいですけど
家庭用でも30万、僕が欲しいレベルの機械は、最低でも定価で百万位します
家の周りの耕作放棄地が雑草やぼろ草で覆われて、猪の緩衝帯が無くなり
鳥獣被害の元になるので、なるべく早く購入し処理したいのですけど
もうちょっと、余裕が出来るまで、お預けです・・・
それまでは、草刈り機で、出来る範囲でやってます
トマトが終わって、やれやれ?
でも、次の作業が待ってます
それが終わっても、もう春の仕事が待ってます
農家のフィールドは畑
天気が良ければ、年中畑にいます・・・・
こたつにいるのは、雨と雪の日だけですね
今年は雪の日も、出ないと間に合わないかもしれません・・・・
寒くなりました、体に気をつけて、がんばります
ここの所、特に変わりの無い日が続いております
蒸し込みを始めて、今年は、気温差が例年より大きく
思ったより、玉が軟化してしまったり、黄化したり
今まで、黄化は少なかったのに、今年のレイカは以上に多い
なので、思ったより、収量が伸びない
気温差は、無いと、美味しくなりませんけど、極端に
大きいと、やっぱり調子がおかしくなってしまう
穏やかに、気温が下がり続ける年の方が、順調に出荷出来ますね
結果としては、昨年が、不調の底で、今年の後半は
かなり土の状態は良くなってきました
根の張りも、昨年とは比べものにならない位、良くなりました
収量は、昨年より伸びましたが、1,2年目に比べると65%程度
昨年の50%よりましでしたが、とても軌道に乗ってはいません
ただ
根の状態を見るに、来年は十分、100%近く行くような
兆しがあるので、改良点を実行しながら、もう一度
挑戦しようと思います
レイカの根は大きく元気がありますが、不調の桃太郎は
やはり、根も不調です
土作りは同じだから、原因は、溶出アンモニアに耐えられなかった?
のでしょうか
来年は、桃太郎サニーから撤退し
桃太郎8に戻して、少しだけ、桃太郎を栽培します
後は全面レイカで栽培した方が、リスクが少ないとの判断で
レイカにします。
正直、桃太郎サニーに変えてから、土壌の変化と合わせて、良いこと一つも無い
葉カビを出す人は、すすカビにやられるし、青枯れについては同じ
裂果は多いし、8に比べ美味しい事も無い
桃太郎8で作れるなら、8に戻した方が、皆美味しいと言ってくれる
なので、土壌が落ち着いて、安定したら、再び8を増やそうと考えています
それまでに、タキイから、高性能品種がでたら、また再考します
JGAPと言うのがあります、ジェイギャップといいます
ISO見たいな、農産物の国際的な管理基準の日本版です
それは厳しいし、輸出するわけでは無いので、東美濃農協としての
取り組みで、東美濃GAPと言うのが、作られました
30項目程度の、チェック項目があり、自分たちで実行することにより
農産物の品質や安全の水準を一定以上に保つという取り組みです
それが守られているかどうか、シーズン中に2回ほど、組合で点検します
改善点が見つかった場合、速やかに、改善指導をして、改善します
僕の場合、JGAPを調べ、それにも対応できるように
施設も考えてあるので、東美濃の基準値はクリアしています
農協職員、普及員、組合長、副組合長の4人が回って来ます
一応、すべての点検項目をチェックし、作業内容については
口答で確認しチェックしていきます
全項目 OK そんなもんですね
まあ、普及員が根を見て、考察をして
トマト歴30年の組合長が、意見を言ったり
生産者が質問したりして、写真を撮って、次に行きます
この時期、水も止めていたり、少なかったりで
細根は飛んでいますけど
コルキールート、線虫、根の色、などの傷害
主根、細根の伸び具合、根域の大きさを調べ
考察し、意見が言われます
うちの場合、桃太郎が根域も狭く、根も細いと言う話で
何故か?~なんて話していましたけど
肝心の僕は、黙って見てました
何故か? 時間も無いし、土作り、灌水の方法などの話もせず
根だけ見ても、良いですね悪いですね~位しかないもの
古い土だもの、コルキーくらいは出ます
線虫害も無く、根も良く出ているって、そのくらいの話です
僕は自分の土作り資材の効果を見定めていましたが
その場で説明しても、誰も理解しないし、聞いてもいないから
言わないし、説明もしない、そんだけです
で、次に行きます
石川農園、昨年までは、うちの根は、石川さんより明らかに悪かったですけど
今年は、差がありませんでした
ゆっこ社長、早々に水を切ったので、すでに根は退化しており
色も悪く、コルキーも当然多かったです
6年、8年作れば、土が劣化します
普及員の話は、コルキーとかあるし、褐色根腐れも見える
だから、台木を、トリパー(名前)に変えるか、土壌消毒しようでした・・・・
劣化したんだから、改良すれば良いでしょうに
石川農園は、自家製堆肥を毎年しっかりと投入している
それでも、劣化していく
何故?
普及員は、堆肥などの研究は、まだ、しっかりとした技術が確立していない
なので、指導は出来ない・・・・と
そんだけ~
僕は、30年もそんな研究してる人から、技術供与を受けている
だから、何故堆肥では足りないのか、ある程度、分かっている
土壌の劣化とは何であるのか・・とか
だから、対策を打って、劣化を最小限に防ぐ努力をしている
故石川哲也が生きていた頃、土壌については良く話をした
結論は出ない、10年くらい経ったら、分かってくるだろうなあ
そしたら、それから、また改良しようって、それで良いんじゃないかって
今、少しずつ、その結果が見えだした所ですから
金さんの、ミニトマトどこまで伸びるか~、クイズ
見事当てたのは組合長でした
商品は、金さん栽培のジネンジョ1Kgです
ここは囲って無くて、ハウスはオープンのまま
標高は300mちょっとなので、僕や石川さんの様には
凍みません
なので、玉の葉を取って、日に当ててます
温度が上がらないし、霜も降りないから、玉が傷むこともありません
それでも、オープンでは、さすがに色みませんけどね
ここはまだ3年目の圃場なのに、もう青枯れが発生したらしい
土の劣化もですけど、やはり、地温が高い
標高の低いとこほど、青枯れが発生する確率が高いことが分かりました
一番、経験が長く、古い圃場を持つ組合長
標高も低く、300mちょっと、金さんより、ちょっとだけ高い
青枯れの重度発生圃場で
土壌消毒しても、すぐに発生する
台木も一番強力な青枯れ対応台木ですけど
それでも発生する
一番良い対処方はもう場所を変える・・・・しかない・・らしい
安定した栽培気技術をもち、生育も毎年、安定しているけど
青枯れだけは、薬が無いので、発生するとどうしようも無い・・らしい
見ただけで、根も傷んでいる、土の劣化は進んでいる
ここの所、組合長は、語らない
土作りについて語らない、教えないのでは無い
語らないのです、まあ、答えを持っていないと言うことでしょうか?
ある時期から、土壌改良の研究を止めてしまい、金をかけても仕方ない
そういうスタンスにしたようです
栽培全体がざっくりと経費削減の栽培に変わったそうです
何故かはしりませんけどね、だから、言うべき事が無いのでしょうか
たかがトマトの栽培に金をかけるな・・今はそう言います
栽培ポリシーは、個人の自由です
でもね、常に、挑戦してないと、技術については、語れない
常に、技術の追求してないと、こうして定例会で回って
トマト栽培、30年もやってるのに、熱く語れない
それを、僕は残念に思いますけど、それも現実の一つです
引き続いて、二日後に、エーザイ生科研という会社の根の診断会が、農協の
アグリセンターで行われました
毎年、行われている行事で、いつもはエーザイの中島会長が来られて
公演を行うのですが、つい先日、先代会長が亡くなられたと言うことで
専門の技術員の方が見えました
東美濃農協は先代からのつきあいと言うことで
とりあえず、黙祷・・・・
しました
参加者は、選果場ごとに集まりますけど
だいたい3割くらいの農家が参加します
まあ、ある程度やる気のある生産者と言ったとこですか
希望者がそれぞれ、自分の根を持ってきて、説明し
技術員の講師が、解析し講義します
まあ、短時間だから、さらっと行きます
講義もさらっと、行きます
それでも、都合2時間以上かかりました
根を持ってきて、説明した
他の生産者の状況は、分かりました
僕は出してません、エーザイの土壌診断に出してませんしね
土壌診断1点あたり
トマト協議会組合員は
農協の土壌診断は2200円、主要要素
エーザイの土壌診断は10500円 主要要素+微量要素+腐食など
ちなみに
上矢作トマト技術研究会は 800円 簡易土博士1号+アンモニア分析+塩素など
もし他所の人の分析を受けるなら、僕の時給を入れて、1500円くらいでしょうかね
僕が分析するから、信頼が無いですけどね・・・・
やらないよりはまし・・
こういう講習会
本気で突き詰めたら、1日かかる
それに、皆が皆、同じレベルでは無い、技術、経験、背景
それぞれ違って、理解力も違う、だからさらっとやらないと、まとまらない
やらないよりは、少しでも、向上するから、これはこれで良い
出てこない、農家が7割もいるのだから
産地全体の技術をそろえ、全体を底上げするのが
いかに、困難な事か、最近分かってきた
だから、昔の様に、批判したりしない
こんなもんだ・・・・無理しても出来ない
だから、黙って、場の空気にあわせることにしてます
花村君、普通になったなあ~
そんな感じ
やっと、まともになったか?
そう、大人になりました(笑)
しかし、個人ではそれではいけない
技術開発、売り方の研究、他所の産地の視察
すべて、個人で行っています
一緒に乗ってくる農家だけで、一緒に研究し、未来を切り開く
努力を続けています
いつか、組合全体を引っ張れるようになるかもしれない
皆の信頼を得られるように、大人の態度で、振る舞い
自身の経営では、大胆に、行動し、努力する
農協も、普及所も敵に回さない
敵を作らないから、無敵
決して、この産地の空気になれるつもりは無い
自分の足で立ち、農業について熱く語れるように
努力し続ける
そんな事を考えながら、栽培しています。